その他

□奴の授業中の挙動
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「おかしい…」


「おかしいでござる」


「ああ、It's so funny」


「うむ。たしかにおかしい」


「ああ゛?何なんだよおめぇら、揃って人のことおかしいとか言いやがってよぉ」


授業が終わるやいなや元親の席に向かって口々に"おかしい"と言う彼らに元親は不機嫌そうな声を出した。


「だってさー、チカちゃんさっきの授業寝てなかったじゃん」


「先ほどの授業は貴様の苦手な英語」


「普段のお前ならさっさとsleeping timeに入ってたじゃねぇか」


「それが先ほどの元親殿は一心不乱に何事か書きつけておいでだった」


「絶対おかしいよねー?」


またも4人に口々に言われ、おまけに最後の佐助の言葉にも揃って頷く始末。


妙に結託している彼らに元親はキレる寸前だった。


「うっせぇな。人が何してようが人の勝手だろうがよ!――何だよ」


目の前に出された手に元親は疑問の声を上げた。


「出せ」


「何をだよ」


「言われずとも分かっておろう。先ほど何事か書きつけておったノートだ」


「んなもん何で見せなきゃなんねぇんだよ」


プライバシーの侵害だ(よくそんな言葉知ってたなと呟いた政宗には一睨みくれてやって)と言う元親の言葉は、佐助の行動によってあえなく無に帰した。


「よっと、どれどれ…」


彼は持ち前の器用さで元親の机からノートを取り出すとパラパラと広げ始めたのだ。


「あっ、てめっ!」


「んー…、あ、これか?」


「どれどれ?」


机の中に入っていたノートの中に1冊だけ、他と違ったものを見つけた様子の佐助の手元にあったノートを全員で覗きこみ、そして一瞬後には全員が吹き出した。


「お前なんちゅーもん書いてんだよ!」


「高校生にもなっていまだに子供の落書きレベルのことをしておるのか」


「いやー、でもこれ結構上手いんじゃない?」


件のノートに書かれていたのはロボットで、しかも既存のものではなくどうやら元親自身が考えたもののようだった。


絵はけっこう細部まで描かれていて、所々に武器装備の説明まで書いてある。


そしてそのノートを見て政宗や元就、佐助とはまったく違うことを思ったものが1人いた。


「かっこいいでござる!!」


「「「……はぁ?」」」


どうやら先ほど吹き出したのは幸村を除いた3人だけだったらしい。


幸村はページをめくっては、おお!だの素晴らしい!だのお館様みたいでござる!!などと感嘆の声を上げている。


そんな様子の幸村に元親は先ほどノートをとられた時の焦りやなんかなどすっかりどこかにやって嬉々として話しかけた。


「おめぇ、こいつのかっこよさがわかんのか?」


「もちろんでござる!!特にこのロボットなど、肩のところが…」


「ああ、そこは俺も気に入ってるところだ。他にはこれなんかも…」


「なんと!!ではこれは…」


「あらら、すっかり意気投合してんぞ」


幸村と元親の話についていけてない政宗がそう言うと、佐助が苦笑しながら言った。


「まあ、旦那は昔から戦隊物とか好きだったしねえ」


その後、2人の会話は休み時間が終わり授業で中断されても終わらず、放課後まで続き。


元親が新しい機体を考えつくたびに再燃したのであった。





<fin.>








あとがき

書きはじめてから1時間という自分の中では最速で書き終わりました

元親は他の絵は苦手だけど機体となったらものすごく上手く描けるんじゃないかと思ってます(ほら、戦国でも兵器開発してたし

幸村はけっこうヒーローにあこがれてそう

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