その他
□遠い背中
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※一般死神視点です
俺たちの隊長は、生まれつき体が弱いらしい。
たしかにほとんど姿を見たことがないし、たまに隊の様子を見て回っていると三席のお2人に見つかってものすごく心配されたりしている。
だけどそんな隊長のことを、俺はすごく尊敬している。
あれは、十三番隊に配属されてしばらくたった頃のことだった。
5人で行った虚の退治任務、それはとても簡単なはずだった。
だけど報告にあった小さな虚はおとりで、倒して油断しているところに巨大虚が現れ追いつめられてしまった。
巨大虚が手を伸ばしてきてもうダメだと思ったとき、目の前が白くなった。
――違う、白の中に十三と染め抜かれたそれは、隊長の羽織だった。
「大丈夫か?」
隊長は俺たちが追いつめられていた巨大虚をあっという間に倒してしまった。
「隊長…どうして…」
「ん?いや、巨大虚のことを聞いたときにたまたま手があいてたのが俺だけだったんだ」
事も無げにそう言ったが、まさか隊長が自ら出てくるとは。
そう思っているのを感じとったのか隊長は笑いながら言った。
「君たちも十三番隊の大事な隊員だからな」
さ、帰ろう、そう言って歩き出した隊長の背中はとても大きく見えて、近いのに遠かった。
<fin.>
あとがき
紆余曲折の末こんな話になりました
最初は霊術院時代で山じいとか京楽さんとか出てくる話にしようと思ってたのに…
何でこんな話になったんだろう?←