その他
□処方箋
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※雰囲気とかNLっぽいです
十三番隊舎の外れにある雨乾堂。
そこは同隊の隊長の休養場であり、ほぼ一年中布団が敷かれたままである。
それはそこの主が体が弱くしょっちゅう倒れているからであって、よく四番隊の隊員が薬を届けに来たりもする。
そんな時はよほど体調が悪い(=起き上がれないほど)ではないかぎりお茶やお茶菓子を出してもてなすのでいつも和やかな雰囲気が漂っている。
…そう、"いつも"なら。
今日も例によって四番隊の者が薬を届けに来たのだが、いつもの和やかな雰囲気はどこへやら。
雨乾堂からは不穏な雰囲気が漂っている。
それは数分前のことだった。
浮竹がいつものように寝ていると、障子がスッと開いた。
「あぁ、ありがと…」
いつものように四番隊の者がやってきたと思いお礼を言いかけた彼の言葉はそこで止まった。
なぜならそこには笑顔の般若がいたから。
「う、卯ノ花…」
「こんにちは、浮竹隊長」
「あ、あぁ」
笑顔だがどこからどう見ても怒っている。
殺気のような怒気が体からにじみ出ている。
浮竹は頬をひきつらせた。
「それで、どうなさいました?」
「いや、それが…」
「ああ、倒れたんでしたよね。こちらの言いつけを守らずに"勝手に"起きだして」
「それは…その…」
「何か仰りたいことでも?」
「いや、ない」
怖い、ものすごく怖い。
逆らえば何をされるかわかったものじゃない。
もちろん付き合いの長い浮竹は反論などするはずもなくおとなしく引き下がった。
「そうですか。見たところそれほど悪化もしていないようですからこれまで通りのお薬で問題ないでしょう。
こちらに置いておきますからきちんと飲んでくださいね。それから、今後最低一週間は寝ていてくださいね。
その時もう一度来ますから大丈夫かどうかはその時判断します」
「あぁ、すまない。いつも助かっているよ」
「そう仰られるならこちらの言うことにはきちんと従ってくださいね」
「ああ、善処するよ」
「そうではなくきちんと守っていただきたいのですけど…あなたに言っても無駄ですね」
「ははは、すまない」
「…くれぐれも無理はなさらないで下さいね」
そう言いながら卯ノ花は浮竹の髪をなでる。
「あぁ…」
そう答えて浮竹は目を瞑った。
髪に触れる手が心地いいと思いながら―…。
<fin.>
あとがき
うわぁ、なんだかNLっぽい…;
卯ノ花さんの口調とかあってるかは謎ですが(←)すっごいスラスラと書けました!