その他

□握り締めた十字架
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応接室のいすに座って、雲雀は1人昨夜のことを考え込んでいた。


あの後目が覚めたら、自宅のドアにもたれ掛かっていた――どうやら吸血鬼が許可を得ていない部屋には入れないというのは本当のことらしい。


一瞬夢かとも考えたが、立ち上がろうとすれば貧血のような症状が出てクラっと倒れそうになった。


それに、昨日顔がばれたからだろうか今日彼は学校を休んでいた。


(沢田綱吉…どうやら草食動物の皮をかぶった肉食動物だったようだね)


しかもどうやらは彼は1人ではないらしい。


というのも、彼の取り巻きの何人かが同じく学校を休んでいるのだ。


これが単なる偶然である確率は極めて低い。


おそらく彼はこの一帯のリーダーであろう――昼間の言動を見ていてそう推測した。


――となれば今彼らが集まっているのはきっと彼の家だろうと思ったが、なぜかそこに行って咬み殺そうとは思わなかった。


もちろん負けることを危惧してではない。


彼はおそらく吸血鬼。


だとするのなら昼間は夜のようには力は出ないだろう。


束になっていても負ける気はしない。


ただ、なんとなく、咬み殺してしまうのがもったいないと思ったのだ。


バカバカしいとは自分でも思うが、おそらく自分はもう一度あの彼に会いたいのだろう。


それならば―…


「今夜、会いにいってあげるよ。沢田綱吉」


無意識に握っていた十字架のペンダントに軽く口づけ、雲雀はうっそりとそう呟いた。





<fin.>









あとがき

あー……短い!←

この人1人だけだから話が広がってかないorz(お前の力不足だろ

しかも会話文1つしかないしι

まぁでもこの人1人だからあんまり会話文いれると独り言の多い変な人になっちゃいますからね←

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