宴uック

□誓いの鍵
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「……。」
「彩音ぇ〜、又考え事〜?」
「…ん〜?」
「んもぅ!彩音はぁ!もういいよ…。」
「……ごめん…。」
彩音には、好きな人がいる。いつもその人の事を考えている。
「あぁ〜あ、彩音は超可愛いから彼氏つくろうと思えばいつでもつくれるのにぃ…」
この子は彩音の大の仲良しの子、花田美沙都。
「いいの……私には…待ってる人いるから…。」
「いっつも彩音はそぉ言う〜。」
「へへ…。」
早野彩音は花咲学園2年生。
天然美少女のモテモテ女の子なのです!
「キャー!!大変よ〜!!ビックニュースビックニュース!!!」
学級新聞編集長、天野桜が騒いでいる。
いつもの事だと、みんなはそっぽを向いている。
みんな徹底的に無視してる。
だっていつも「ビックニュース!」と言い、たいした事ない情報ばっかで、みんな飽き飽きしてるらしい。
「…みんな聞いてよ!!今回のニュースは凄いのよ!なんと!なんと!なんと!!!この学園のこのクラスに、転校生が来るらしいわよ!」
「!!!」
それにはみんな反応。
「うそ!?どんな子だった!?可愛い?」
「ねぇねぇその人イケメン?」
周りがかなりざわついてきた。
すると…ガラガラガラ!
ドアの開く音。
「はい!みなさん!静かに!」
担任の空本楓先生。
「みなさん、今日は嬉しいお知らせがあります。」
「転校生でしょ!?どんな子どんな子!?」
「…あら、もう知ってるのね……じゃぁ、入って来てもらいましょうか。どうぞ。」
コト、コト……
ゆっくり、落ち着いて入って来た。
「うわ!結構イケメンじゃん!ねぇ、彩音ぇ!」
「|…」
「って寝てるし……」
「彩音ぇ!彩音!」
「ん?…もう朝…?」
「……バカ…」
「えっと、隣の隣の町から来ました。隅田隼人です。分からない事だらけなんで、よろしくお願いします。」
「はい、ありがとう。じゃぁ、質問タイムです。何か質問のある人はいますかー?」
「はいはいは〜い!」
元気よく手を挙げたのは、斜め前の席の河野歩ちゃん。
「あの、趣味は何ですか〜?」
みんなが隼人の方へ注目した。
「ん〜っとぉ、何でしょうねぇ〜、あんましこれ!っていうのはないけど、強いて言うなら、料理かな。」
「キャー!カッコイイうえに料理ができるなんて!新人アイドル登場ねぇ!!」
「はい、騒がない、騒がない。じゃぁ、隅田君の席は…早野さんの隣ね!」
コト、コト…ストッ……
「よろしく!早野さん!」ニコッと挨拶された彩音。
彩音は…「|…」
「彩音ぇ!!」
「早野さん!!」
「はい!…」
「ぷっ……アハハハハ!君、面白いねぇ。」
「…んもぉ、では、授業を始めます。教科書34ページを開いてください!」
…………キーンコーンカーンコーン……
「はい!では、今日はここまで!」
「ねぇねぇ、隼人君って呼んでいい?」
「隼人君、好きな食べ物って何?」
「隼人君って、好きなタイプとかってある?」
「…すごい質問攻めねぇ……」
「彩音ぇ、興味とかないの?」
「全っ然ない。」
「はぁ〜…何でそうなのかなぁ…彩音は…」
「美沙都は?気になるの?」
「あたしは彼氏いるしぃ〜。」
「そっかぁ…クラス1のモテモテ男子!達川徹!すごいよね〜。」
「…そ…そんな事ないし…!」
「照れてる〜!」
「彩音も、恋したら楽しいよ!」
「う…うん……一応してるよ〜。」
「一度会っただけの、素敵なお・う・じ・さ・ま!だっけ?」
「…うん……。」
そっと笑みを浮かべ、彩音は窓の外を見上げた。
「…信じてるんだ。いつか…いつかきっと…また会えるって…。」
「……そっか…」
美沙都はニコッと彩音の方を向き、「いつか、来るといいね。」そう言い残し、彩音の目を見た。
「…うん。」

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