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□03.満たし満たされ、愛し愛され
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服を着終えてすぐ、カイトが部屋に来た。
そしてゼロスを見るなり、俺を睨みつける。

「かーさん虐めたの、ロイドでしょ」
「…え?」
「知ってんだからな。かーさんのほっぺ、涙の痕が残ってる」


俺がゼロスを見ると、彼女は慌てて顔を擦る。

「ち、違うのカイト。お母さん虐められてないよ」
「なんでロイドを庇うのさ」
「ほんとに違うの。その、さっき欠伸したからなの」


カイトがゼロスをまじまじと見つめる。

「信じて?」
「…判ったよ」


ふぅっとため息をつくカイト。
…お前、ほんとに5歳か?

「…ただ」


たたたっと走ってくるカイト。

そしていきなり。


どん。

「ってぇ…っ!?」

腹を殴られた。
まぁ、激痛ってわけじゃないけどさ。

…普通親を殴るか?


「…気が済んだ。おかーさんは、オレが守るからな」
「…おいおい、結局俺は悪者扱いかよ」



ふふっとゼロスが笑った。
つられて笑顔になると、へらへらすんなって言われてまた殴られた。

畜生、親不孝者め…。


…でも、大好きな人を守りたいって気持ちは、褒めてやるべきだよな。





俺がいない時は、頼りにしてるぜ


小さなナイトくん。





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