銀魂へ

□以心伝心
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「なぁ先生。人って、どうすれば気持ち良くなるんでェ…」
「何ですかいきなり!?発情期到来ですか!?」

放課後、俺は神楽を先に帰らせて銀八の所に行った。
銀八は職員室にいたけど、相談があるからと教室に移動してもらった。

「発情期とかいう次元の問題じゃないんでさァ。心が欲求不満のブラックホールみたいになってんでィ」
「…そ、そりゃ大変だね」
「だから、大変なんてレベルの話じゃないんで」

銀八は困った顔してへらへら笑っている。

「…その、つまり沖田クンは、…セ、セックスについて知りたいっつーわけですか?」
「かい摘まんで言えばそうなりまさァ」

銀八が硬直した。

「そ、そういうのは、保健の先生に聞いた方がいいんじゃないかな…」
「俺ァ先生の説明が聞きたい」

少しの沈黙の後、銀八は小さい声で話しはじめた。

「…あの、その、なんつーか、実際に経験した方がいいっつーか、アレだ、習うより慣れろだ」
「どういう意味ですかィ」

しーん。

ごめん銀八。
もう少し聞きたい。



「その、ほら、人によって感じ方っつーか、ツボっつーか、微妙に違うわけよ。だから、実際にやった方が飲み込み早いっつーか、…判る?」
「まぁ」
「はい、おしまいっ」

銀八は素早く立ち上がり、小走りで去っていった。
少し笑ってしまった。






「何してたアルか」
「げっ、居たんですかィ」
「待っててあげたのヨ」



俺は当然のように神楽の手を引いて先導する。


話す事は、ない。
…話題がない訳じゃないけど。



話さずとも、互いに判りあえる気がするから。


見上げると、赤い太陽が山に隠れようとしてて。
あぁ、夜がやってくる。


「なぁ」
「何ネ」
「お前今、幸せですかィ?」



判り合えると言っても、やっぱり気になるわけで。


神楽の足がぴたりと止まる。
合わせて俺も。

振り返ると、何言ってるの?という顔で神楽が立っている。
まぁ、突拍子もない事聞いちまったしな、当たり前か。


「幸せ」



「幸せだヨ」





「貴方が居るから…」



あぁ。


…俺も同じ気持ちでさァ。





→あとがき




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