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□勉強しよっ
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はぁ、皆遊びに行っちまった。
あ〜、俺だって遊びてぇよ。
「何処見てんのハニー。俺さまが折角お勉強教えてあげてんのに」
「え?あぁ、ごめん」
俺は今勉強中。
旅の途中でも『勉強は大事だ』と言い張るリフィル先生が、先程大量(俺的に)出したプリントがなかなか終わらなくて。
ちょうど算数が得意だというゼロスに答えを聞い……もとい、教えてもらっている。
「だから、此処はこーして、こっちの式に当て嵌めて、こう」
「だあああ、わっかんねぇよこんなのっ!!!」
「ほら、発狂しない。そんなんじゃいつまで経っても終わんないよ」
俺がどれだけ弱音を吐いても、ゼロスは丁寧に教えてくれる。
有り難いけど、そこまで丁寧にされて判らない自分に嫌気がさしてくる。
いや、ゼロスは全然悪くないよ。
教え方上手いし。
頭いいし。
…んああああ、腹立ってきた。
「ゼロス〜、もう、ぱぱっと答え教えてよ〜」
「だ〜め。そんな事したって身につかないでしょーよ」
「だぁってさぁ、判んねぇの、つまんない」
それよりさぁ。
俺はゼロスを抱き寄せた。
「俺は愛のお勉強がしたいな」
「な、なな何言って…っ!!?」
お、予想通りの反応。
やっぱ可愛いなぁゼロス。
「せんせー、だめ?」
ばし。
ハリセンでぶっ叩かれた。
痛ぇ〜、と言いながらゼロスを見ると、彼は真っ赤になって俯いていた。
あれ、ゼロスじゃない?
じゃあ誰が…。
「遅いと思って来てみたら、何をしてるのっ」
り、りりリフィル先生っ!?
「あ、いや、その」
「ゼロスは女の子にしか興味ないんだから、男の貴方が色目使ったって無駄でしょうっ」
「そりゃないぜ、リフィル様〜」
ゼロスがへらっと笑うと、リフィル先生はぎろりと彼を睨んだ。
「ゼロスもっ」
「は、はい…っ!!」
「ロイドに答えなんて教えたら、…判ってるわね?」
「…はい」
先生はふぅっと一息ついて、さっぱりしたのか部屋から出ていった。
「えっと、…続きしましょーか…?」
ゼロスの問い掛けに、俺は素直に頷いた。
→あとがき