TOSへ

□ねぇ、食べて?
1ページ/3ページ

ハニーを壁まで追い詰める。
彼のこめかみを、一筋の汗が伝った。
俺さまは満面の笑みでその光景を見る。

「食べてくれないの?」


可愛らしく首を傾げると、彼はひくりと反応した。

「た、食べたいのは山々なんだけど」
「美味しいよ、俺の」
「わ、判ってるよ。ゼロスのはいつも旨いって…っでも…」


何故彼が拒んでいるのか、理由は火を見るより明らかだった。
だから、いつものお返しとばかりに俺さまは彼を追い詰める。


ハニーは脱出路を探して辺りを必死に見渡しているみたいだけど、部屋の隅まできてしまったのだから、そんなに簡単に逃げ場が確保できるわけでもなく。

再び視線を俺さまに移した。



「今日は、やめとこうよ」
「今日食べてよ、ねぇ」
「あ、いや、心の準備というものが…」
「ねぇ、一口でいいから、お願いハニー」
「…っ」


俺さまはしめたとばかりにハニーを捕まえる。
ハニーは必死に俺さまから逃げようともがいている。


けど、駄目だよ。

俺さま、食べてくれるまで離さない。


その口で、味わいなよ。

好きなんでしょ?俺のが…。















*
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ