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□快楽の果てに…
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俺さまが求めているのは、薄っぺらい愛情や情事なんかじゃないんだ。





荒い呼吸と卑猥な水音。
それを遮るかのように、断続的に響く俺さまの悲鳴に近い嬌声。

もう何度も何度も達した筈なのに、治まる事なく押し寄せる快楽の波。
生理的に流れる俺さまの涙を、親指の腹で拭う彼。


淫乱だね、と耳元で囁かれ、情事の為上気していた顔を更に真っ赤にして反応してしまう。

相変わらず弄られ続けているソコは、変わらず快楽を求め続ける。


もっと、もっと、と無意識に求めている証拠に、俺さまは緩く腰を振っている。

こんな筈ではなかった。


理性なんか既にない。
あるのは、快楽を求める身体と、


彼を求める俺さまの心。


視界がぼやけてくる。


あぁ、また達したのかな。
もう、限界のラインが判らない。
弄られ続けて神経が麻痺して、いつ達したのか、それすら判らない。



けれど、彼はまだ入れてくれない。


早く、早く。

彼を感じたい。
彼の、全てを、受け入れたい。


俺さまは全く息の整わない荒れて掠れた声で、必死にねだる。

なのに返ってくる言葉は、淫乱だね、の一言だけ。


もう、淫乱でいい。
それでいいから、早く貴方を頂戴。



とめどない涙は、後から後から伝って落ちていく。


…俺さまは、彼という快楽に堕ちていく…。



もう、限界だ。

俺さまは力が抜けて震える手を、自分を犯し続ける彼の背中に回した。
彼は少しびっくりしたようだ。


お願い。
貴方を、貴方の愛を、頂戴。



彼が苦笑した。
お前って奴は、本当に…。
そんな呟きが聞こえた。


彼が一気に入ってくる。
快感にのまれ、身体をのけ反らせる俺さま。


欲しかった物が、やっと手に入った。



段々と動きが激しくなってくる中、俺さまは彼の名前を何度も何度も叫ぶ。

彼も俺さまの名前を呼び、そして…。




中に、彼の愛が溢れた。


俺さまは、同時に意識を手放した。



俺さまが求めていたものは…。





→あとがき
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