お題小説
□『恋』で10のお題 Ver.1
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7.ヒミツの恋
「俺、思うんだけど俺と先生の関係って危ないよね」
「あ?」
「そうだよ、だってホレ。先生と生徒だし」
「だからどうしたよ。」
「そして同性。やべぇ、ヒミツが二つも重なってるじゃん」
俺と先生が付き合ったのは去年の冬。
正直、『同性』と、しかも『先生』と付き合うなんて夢にも思ってなかったけど、人生って不思議なもんですね。
好きになっちゃうんだもん、先生のこと。
しっかし、本当に付き合ってるのかね先生。
まぁ、告白したのは俺だしさ。
でも一応、Okはしてくれたんだよな。
「くだらんこと言ってないで、いい加減クラス戻れ」
既に授業はとっくに始まっていて、先生以外には誰も職員室には残っていなかった。
「絶対、イヤ」
「ダメ。俺は暇じゃねーの」
「先生の数学なら俺は受けてもいいけど」
「あいにく、今日は終わりました。」
と言って、先生は黒縁の眼鏡をはずす。
コンタクトの方が俺は好きだけど、先生は譲らない。
「次、何の授業だ?お前。」
「国語です」
「早く行けよ」
先生冷たい。
最近、キスもしてくれなくなったし、手を繋ぐこともしてくれなくなったし。
「先生、俺のこと嫌い?」
「あ?」
「まぁ、嫌いだったらみんなにバラすけどね」
「はぁ?」
先生はものすごく呆れていた。
ごめんね、こんな俺で。
意外とウザイんだ。
「早く、好きか嫌いか言えって」
「・・・はいはい、好き好き」
「なら、キスして」
「早くね」俺は目を瞑った。
どうせしてくれないだろう。
してくれなかったら、
「なーんてね」とか言って授業に出ようと思った。
その時だった。