!長編

好きだと言って
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この男の背中に僕はだまって着いていった


気づかぬうちに近い距離で後ろを歩いていた僕は危うくその背中にぶつかりそうになった

「うわっ」

僕は思わず声を出し、男はその声に反応して立ち止まってしまった

やばい、

いつのまにか周りは静かで、廊下には僕達だけになっていた

僕の鼓動がいっそう早くなる


そのとき

「ここ入れよ」

男はそう言って僕を横目で見ると、誰もいない教室に親指をさした

「嫌だ」なんて言えない僕は、ゆっくりと中に入ると男も続けて中に入り、ドアを乱暴に閉めた

ガシャンと響いたその大きな音に僕の肩がビクりと跳ねる

僕がそいつの方に振り向くと、男は眉間に皴を寄せながら僕に近づいてきた
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