!長編

可愛いから
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出来れば俺も叫びたかった。

こんな子が男の子だなんて!
きっと性別を間違ったのであろう。
真剣にそう思った。

しかしこれは・・・どこからどう見ても女だ。
しかもかなりレベルの高い女。
可愛い、可愛すぎる。

髪型は少しボブっぽいショートで、身長も170あるかないかで、目もでけぇし睫毛もなげぇ!

うむ。

「あの、もう離してもらっていいですか。この手。」

その「美少年」が俺の手を指して言った。
え?手?俺の手?

「あ、ごめん!」

俺は、胸に置きっ放しだった手を急いで離した。
「違う!俺じゃない、この変態担任が!」

と言い訳したかったけど、後ろと前の視線が痛かったので素直に謝った。

でもこんな可愛いと、大丈夫かな。
この先、俺は不安だよ。

「あの、そんなジロジロみないで下さい」

あ、やっべ。
今度は見すぎたか。

「ごめん」

「すまん」

「わりぃ」

ってお前らかい!

「いや、いえいえ。」

美少年が少し照れながら首を振る。

これは、もしかしたら・・・目覚めるな。
俺じゃなくて、この後ろの性欲の塊が。

すでに鼻血出してる奴とかいるしよ、
「目覚めた」って言ってる奴いるしよ。

恐るべし、高杉誠!

いやしかし、こんな男しかいねーむさ苦しい所にこんな子がきたらテンションも上がるわ。


「あー、もう見ない見ない。高杉君、加藤の隣ね。後はよろしく」

「あ、はい」

まさかの俺の隣。
さっきから胸タッチしたり、色々と縁がある。

「あの、よろしくお願いします」

「うん、よろしく」

俺が軽くあいさつをして微笑むと、
高杉誠も微笑んでくれた。

それが異常に可愛かったんだが、


待て。
俺、目覚めないよな?




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