☆妄想の釜:奈落の碗
□私のKを探して
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<廊下>
三「という訳で」
和「探すなら一人で勝手にやって下さい」
三「何も言ってないぞ」
和「『という訳で、探すのを手伝ってくれ一柳くん』って言うつもりでしょ?」
三「違う。楓の姿が見当たらないんだが、猫を探すのは至難の技だ。だから向こうから来てもらう。お前は猫をおびき寄せるエサだ」
和「あの、僕の位置付けが更に悪くなってますが」
三「猫集め体質が羨ましい訳ではない」
和「嫌がらせ!!??」
三「冗談だ。この城は色々と物騒だから、楓が珍妙な所に迷い込んだりしていたら大変だろう。済まないが付き合ってくれ。あとポチの写真くれ。ついでに日本帰ったら猫探し手伝え」
和「あの、本当に心配してます?なんかやたらと私利私欲に走ってますが」
三「手伝うのか手伝わないのかはっきりしろ!!これだから近頃のツッコミ体質は……!!」
和「逆切れする人に貸す手もあげる写真も時間もありません」
三「お前、意外と性格悪いな……。ならばこうしよう。楓を見つけてくれれば、少ないがこれを……」
和「いや、そんな御礼目当てじゃ……って、これ何ですか」
三「俺が小学生の時、図工の時間に粘土で作った猫の人形だ。どうだ、可愛いだろう」
和「持ち歩くのは招き猫だけにして下さい……!ていうかこれ、猫には見えませんが!!」
三「ちなみに管理人は、焼き物の授業でハムスターの灰皿を作ったが、狸の灰皿と間違われたという哀しい思い出が(※実話)」
和「あの、そういう告白は行数稼ぎにしか見えないのでやめて下さい……」
三「そろそろ行くぞ。楓が俺を泣きながら待っている(といいな)」
和「カッコつけてるとこすいませんが、心の声で台なしです」
三「これが楓の特徴だ。よく脳裏に叩きこんでおけ」
和「一応僕も楓ちゃんは知ってますが……。って、もうこんなに写真撮ってたの!!??」
三「趣味だからな」
和「撮るのはいいんですけどね!短時間で50枚近く撮るなんて、怖いですよはっきり言って!!!!」
三「楓探しにレッツゴー」
和「ツッコミ無視!!??」