☆妄想の釜:奈落の碗
□その参
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<高遠家>
和「う〜……」
三「たった一杯以下で潰れるとは情けないな」
日「これでも呑んだ方でさぁ。和さん、頑張りましたね」
和「む〜……」
三「お前がそう甘やかすから、こいつはいつまでも弱いんだ。社会人になってみろ。嫌でも酒に付き合わなくてはやってけないんだぞ?」
日「三笠さんが和さんに酒を勧めるのは、ただ単に面白いからでしょ」
三「む……」
和「んん〜…」
日「ほら和さん、寝るなら眼鏡を外さなきゃあ」
三「しかし、見れば見るほど童顔だ…な……」
和「すー…すー……」
日「………………」
三「………………」
日「……三笠さん、そろそろ帰っちゃどうですかい?」
三「……そうだな、一柳くんを家まで送ってから帰るとするか」
日「いやいや、和さんは今夜はうちに泊めまさぁね。だからお一人でどうぞ」
三「それじゃ俺も泊めてもらおうか。布団はあるか?」
日「あいにく、客人用の寝具は一組しかないんでさぁ。だから和さんは俺に任せて、三笠さんはお帰りなさいな」
三「……実は俺は平らな床さえあれば何処でも寝れるんだ。布団はいらんから泊めろ」
日「いやいや三笠さん、お客様にそんな非礼は働けませんやね。それにこの家の床で寝たら、猫の毛まみれになっちまいますぜ?」
三「猫の毛なんぞ叩けば取れる。……ん?そうこう言ってる内に、終電の時間が過ぎたぞ?」
日「んじゃ、タクシーでも呼びまさぁね。勿論俺の奢りですぜ」
三「よし。それなら一柳くんも連れて帰れるな」
日「慣れない酒で酔っ払ってるお方を、むやみやたらに動かしちゃなりませんやね。だから三笠さんお一人で……」
三「一柳くんがこうなったのは、俺が酒を勧めたせいだからな。心配だから一柳くんの看病をする」
日「それは俺がやりますって。正直、三笠さんにきめ細やかな看病が出来るとは思えませんや」
三「…………。お前に任せて、ちゃんと看病するとも思えんがな」
日「…………。あんたに和さんを任せて、ちゃんと家に送るとも思えませんがね」
三「………………」
日「………………」
三「……ん?まだ酒が結構残ってるな」
日「ああそうですね。残すのも勿体ないですやね」
三「二人で飲み直すか」
日「そうしますか」
三&日(先に酔い潰れたら負けだ……!)
〜次の日の朝〜
和「おはよ……って三笠さん、日織……何やってんの」
日「ん?和ひゃん起きらんれすかい」
三「良く寝れらか?」
和「酒くさっ!!まさか一晩中呑んでたの!?」
日「や、んなころありまへんやね……って朝れすか?」
三「太陽ら昇っれるな」
和「ってか家中の酒類集めてるし!!」
日「三笠ひゃんら飲みらりなひっておっひゃるもんれ」
三「にゃにを言うか!日織らろんろん持っれきらんりゃろ」
和「何言ってるのか解らないよ二人共!!」
日「和ひゃん、ビールの焼酎割り、いかがれすかひ?」
三「ワインのウイスキー割りもにゃかにゃかいけるろ?」
和「気持ち悪!!何そのアルコールだらけのコラボレーション!!」
日「あ〜……眠ひ……」
三「限界ら……」
和「何のためにここまで呑んだの!?」
日「………………」
三「………………」
和「……寝ちゃったよ……どうしろっての……?」
三&日「ぐう……」
引き分けで、完。
BLに挑戦してみたしゃもじ(結果→失敗☆)