☆妄想の釜:奈落の碗
□そして暴走世界
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<日織室>
※幽霊遭遇後
和「はあ、はあ、……やっと着いた……怖かったよお……」
バターン!!!!
日「和さああぁぁあん!!」
和「ひいぃっっ!!??」
日「今叫びませんでした!?」
和「確かに叫んだけど!叫んだけども!!普通に登場出来ないのっ!?」
日「一体どうしたんですかい!?犬に追いかけられたんですかい!?ネズミに耳をかじられたんですかい!?それともミスターXに勝負を挑まれたんですかい!?」
和「僕はオバケじゃないしネコ型ロボットでもないしプロゴルファーでもないから!!」
日「じゃあどうしたんですかい?」
和「お母さんだよ!お母さんが出たんだよ!!」
日「……なんですって?」
和「お母さんだよ!!追いかけられて怖かったよーー!!」
日「……和さん、ここにいて下さいな。ちょいと行ってきます」
和「えっ!?」
日「和さんを怖がらせるなんて、いくら何でもタチが悪すぎるでしょう。俺がちっとばかし挨拶ついでに意見してやりまさぁ」
和「駄目だよ!!日織が強くても危険だって!!」
日「大丈夫ですよ」
和「絶対駄目ーー!!気持ちは嬉しいけど……」
日「和さん……」
和「僕なら平気だから、危ない真似はしないでよ……」
日「ですがねぇ、この機会を逃したら、いつ会うことが出来るか解りませんものねぇ」
和「…………。は?」
日「手土産がないのは残念ですが、まあそこはそれ、会話だけで場を持たせるのは得意ですしね」
和「……あの、何言ってんの?」
日「挨拶の話ですが」
和「…………。挨拶ってそっちの意味?ってか誰にするつもりなの」
日「誰って……、和さん、自分で言ったでしょ。和さんのお母様ですよ」
和「何で僕のお母さんがこんな所にいるんだよっ!?」
日「和さんが『お母さん』て言ったんじゃないですかい」
和「確かに言ったけど、意味が違うーーっ!!しかも何で挨拶するのっ!?」
日「やだなあ和さん、ご両親に挨拶と言ったら、目的は一つでしょう」
和「お前は阿呆の子かああぁぁっっ!!!!」
日「ぐふうっっ!!??」
和「お前阿呆だろ、阿呆なんだろ、もうこれ以上ないっつーくらい阿呆だろ!?」
日「な、和さんがどつきツッコミを……!?」
和「も、お前どうっしょーもないな!阿呆な土壌に阿呆な木が生えて、その木になった阿呆な実を阿呆な猿が食って、阿呆な猿が阿呆な糞をしたら阿呆な土壌が出来るっつーくらい阿呆だな!!」
日「あのそれ『下品な猿の話』じゃ……」
※知ってる人は知ってる教訓(?)話。
和「ツッコミだけは普っ通ーだなお前。あーもうやってらんね。やってらんねーよ!!」
日「和さん……とうとうグレちまったんですかい……」
和「お前のせいだーー!!」
日「……そんな和さんも素敵ですぜ(ポッ)」
和「は?」
日「や、正直びっくりはしましたがね?でもなんかこう、殴られた瞬間ビビッと来ましてね」
和「…………」
日「和さん、俺の伴侶はやっぱ和さんしかいませんや……」
和「誰か……頼むからこいつを殺して……(ガクリ)」
どこまでも暴走で、完。