☆妄想の釜:奈落の碗

□PART5
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三「『アヒム』とか聞き取れたが。誰だ?」

和「あー……ドイツの有名な俳優です。三笠さんが似てるんで思い出したみたいです」

三「冷や汗が滝のようだが」

デ『和、いじめられてる?』

日『三笠さんは好意を抱いた相手をいじめる性癖があるんです』

デ『変態?』

日『そうとも言います』

三「おい、こいつ、俺から距離を取ってるぞ。何故だ?」

和「…………。ド、ドイツでは敬いを距離で示すんですよ!」

三「クリスチャンでもないのに十字を切るな」

デ『十字?これ悪魔?』

日『ディルクさん、指さすと噛み付かれますぜ』

デ『変態?』

日『そうそう』

三「こら!お前何で日織の後ろに隠れるんだ!?」

和「は、恥ずかしがり屋さんなんです!!」

日『和さん、それは無理がありますぜ』

デ『何が無理?』

日『三笠さんはディルクさんと仲良くなりたいそうで』

デ『ごめん、無理』

三「おい、俺に向かって嫌そうに手を振ってるが?」

和「あーうー、そのーえーと……」

日「ディルクさんなりの愛想です」

三「ほお。中々人懐っこい奴なんだな。猫に好かれる訳だ」

和「……………………」

デ『和。こいつ、俺見て笑う。変態』

和「変態じゃないですよっっ!?」

日「和さん、それ日本語」

和「ああっっ!?」

三「…………。俺を何と言っているのかわかった。……どーせ俺は、猫にも人間にも嫌われるんだ……ぐすっ」

和「あああああ、泣かないで三笠さん!」

三「俺はしばらく旅に出る……」

和「ちょっと待って下さいよーーーー!!??」

デ『和、勝利?』

日『流石和さん、推理同様に人を追い詰める術に長けてらっしゃる』

和「笑ってないで、三笠さん慰めてよ!!何か今にも出家しそうな勢いだから!ってかお前のせいだーーーー!!!!」

日『さて、ここに旨そうな薩摩揚げがありますから、何か作りますぜ』

デ『わーい』

和「確信犯かよっっ!!??」


存続の危機再びで、完。
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