★妄想の釜：奈落の碗
□彼ならやる
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
千「というわけで、みーさんは今日一日、和ちゃんを『和たん』と呼ぶように！」
和「えええ!?」
三「何がどうなって『というわけで』なんだ？」
和「いや三笠さん。そこ冷静に質問するところじゃありませんから」
千「聞けばみーさんは、和ちゃんに命を救われたそうじゃありませんか！それによって好感度が上がったことを示すために、和ちゃんを愛称で呼ぶんですよ！」
和「好感度？」
三「そこはそっとしておいてやれ一柳くん。業界には色々あるんだ」
和「は、はあ…」
千「ほらそこ！『和たん』ですよ!!」
三「まあいいだろうそれくらい」
和「やるんですか!?」
三「死にかけたところを助けられたんだ。それくらいしなくてどうする」
和「いやあの、全然僕嬉しくないんですが…」
三「…………」
和「あああ嘘です！すっごく嬉しいです!!だから睨まないで下さいっ!!」
千「頑張ってねー!!」
＜三笠室＞
三「よし和たん。今日の調査結果を報告しろ」
和「うわホントに言ってるよこの人……じゃなくて、ええとその、この部屋の隣の空間に入れたんですよ」
三「本当か和たん！でかしたぞ和たん！で、何か見つけたか和たん!?」
和「…………。このおもちゃの鉄砲が落ちてました。それと食堂の彫像の中に入れるんです」
三「なるほど、これでワイン事件のからくりは解けたな。君のおかげだ和たん。さすがは名探偵だ和たん」
和「ううう……。三笠さん、なんか楽しんでません？」
三「何を言うか和たん。人を疑うのが仕事でも、被害妄想に陥ってはいけないぞ和たん」
和「あの、お願いですから連呼しないで下さい……」
三「何をだ和たん？」
和「だからその和た……いやもういいです。どうせ今日一日だし……」
三「何をぶつぶつ言ってるんだ和たん？さっさと次の報告をしろ」
和「…ザックさんのことで解ってたのに……こーゆー人だって……」
完？