★妄想の釜：雨格子の碗
□それゆけ椿くん。
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＜椿室＞
椿「今夜はオッサンが狙われてんのか……」
和「うん……。凶器になりそうなボウガンは隠したけどね。物置にあったから。でも……」
椿「犯人が自前で武器用意してないとは限らねーしな……」
和「うん……。だから今夜は、暗石さんの部屋に行く予定」
椿「…………。よし、俺も一緒に護衛してやる！」
和「……いいの？」
椿「たっぷり演技の指導して貰う、絶好の機会だしな！」
和「ありがと、椿くん……」
★ ★ ★
＜暗石室＞
暗「……で、この話は終わりだ」
和「終わり!?そんな所で終了されたら、気になって眠れないですよ!!??」
椿「何びびってんだよ。こんな話どこにでも転がってんだろ？」
暗「さて、そんじゃ次の話だが」
和「まだあるんですかっっ!!??」
椿「だよなあ。怪談は飽きちまったから、何か別の話にしてくれよ」
和「後半には同意だけど、飽きちゃいないから僕は！聞きたくないだけだから!!」
暗「怪談が嫌となると、猥談しかねぇな」
和＆椿「！！！！」
暗「って、執事は未成年だったな」
和「そそそうですよ！そんなの駄目ですよ!!ねえ椿くん!!??」
椿「是非お願いします、師匠！」
和「ほら、椿くんもこう言っ――って、ええぇええ!!??」
暗「これは実際にあった話だが」
椿「はいっ!!!!」
和「何目を輝かせて身を乗り出してんの椿くんっっ!!??」
椿「誤解すんなよ和!!俺は社会勉強の為にオッサンから仕方なく話を聞くんだからな!!??」
和「鼻血流しながら言わないで!!全っ然説得力ないよっっ!!??」
暗「数年前、撮影でとある民宿に泊まった時の話だ」
和「暗石さーーんっ!!??」
★ ★ ★
＜和＆日織室＞
日「あ、お帰りなさい、和さん。旦那の所に行ってたんでしょ？」
和「………………」
日「な、和さん？寝不足ですかい？目が虚ろですよ？」
和「日織……世界は広いんだね……」
日「へ？」
和「僕はまだまだ子供だったよ……ふっ」
日「はい？」
和「人間って、奥深いものだったんだね……」
日「和さん？何かあったんですかい？」
和「昨日までの猥小な僕と、さよならしただけさ……」
日「ちょいと和さん……」
和「あ、猥小っていうのは（自主規制）の事じゃないからね？誤解しないでね？」
日「ななな、和さーーーーんっっ!!??一晩の間に一体何がっっ!!??」
★ ★ ★
＜暗石室＞
暗「おい執事、起きろ。こら」
椿「………………」
暗「……鼻血流しながら気絶してやがる。まさか坊主の方が最後まで残るとはなあ……」
和さん大人になって、完。