★妄想の釜:雨格子の碗
□がんばれ椿くん。
1ページ/1ページ
※食事中の人は退避!
<椿室>
和「こんにちはー」
椿「おう。また調査か?」
和「うん……今夜、那須さんが危ないんだけど……」
椿「何!?警告はしたんだろうな!?」
和「一応したけど、那須さんだし……」
椿「そ、そうだな……筋肉だしな……じゃあ護衛に行くんだな?」
和「うん」
椿「でもよ、犯人が肉弾戦で来たら、むしろお前が危ないんじゃねーの?」
和「それを言われると……」
椿「…………。よし、俺も一緒に護衛してやるよ」
和「ええ!?いいの!?」
椿「筋肉が狙われてるって事は筋肉は犯人じゃねーし、人数は多い方がいいだろ。俺も少しは鍛えてるし」
和「……そ、それじゃ、お願いしちゃおうかな……」
★ ★ ★
<那須室>
那「あれ?このペットボトル、なんで開いてるのかな?」
和「!!!!」
椿「飲むな筋肉!それに毒が入ってるかもしれねーぞ!?」
那「ええっ!?……じゃあ毒味してくれるかな?」
椿「任せろ!――って、出来るかぁーーっっ!!!!」
和「椿くん、ノリツッコミしなくても……」
那「でももったいないし……」
椿「茶ーよりてめーの命を惜しめ、頼むから」
和「椿くん、上手い事言うね」
那「朝まで暇だね。筋トレしない?」
椿「よっしゃ」
和「ノリノリ!?……僕は遠慮します……」
那「仲間はずれなんて、そんな酷い事出来ないよ!さ、一緒にやろう!!」
椿「マシンの準備出来たぞー」
和「ツッコんでよ椿くんっっ!!??」
那「和くん、人が聞いたら誤解されるような事言っちゃダメだよ?」
椿「そうだな。日織とか聞き耳立ててそうだしな。筋トレやろーぜ、筋トレ」
和「どこまで筋トレやりたいんだよっっ!!??」
〜数時間後〜
椿「あー、疲れたー」
那「和くん、とっくにダウンしてるよ」
椿「喉渇いたな。飲み物あるか?」
那「はい」
椿「サンキュ……ってコラ!!毒入りのやつじゃねーかっっ!!??」
那「だってもったいないから」
椿「怖っ!爽やかな笑顔が怖っっ!!!!」
那「部屋の外に出るのはまずいんだよね?」
椿「まあな」
那「僕も喉渇いたなあ……」
椿「もう少しで朝だから、我慢しようぜ」
那「……そういえば昔、飲尿健康法ってのが流行ったよね」
椿「やるなよ!?つーかやらねーかんな!!??」
那「じゃあやっぱりこれしか」
椿「待たんかい!!そこで躊躇いなく毒入り茶を手に取るなっっ!?」
那「究極の選択だよね、これ」
椿「どっちも選ばないっつー選択もあるんだからな!?そこんとこ解ってんだろーな!!??」
那「悩むなあ……」
椿「悩むな!違う事に頭悩ませろ!マジで頼むから!!!!」
那「なんで老廃物で健康になるんだろうね?」
椿「飲尿から離れろよ!!」
那「最初にやった人は、何を考えて飲んだんだろうね」
椿「何も考えないようにしなきゃ、飲めないと思うぞ」
那「よし!」
椿「やるんじゃねーーーーっっ!!コツを伝授したんじゃねーからなっ!!??」
和「うーん……」
那「あ、起きたかい?」
椿「和!お前も止めてくれ!!!!」
和「何を?」
那「椿くんが飲尿に詳しくてね」
和「…………。…………。…………えーと、もう朝なんで大丈夫ですね。僕失礼します……」
椿「待て!お前何か誤解してないか!?」
和「……椿くん、人の趣味っていうか嗜好に口出ししたくないけど、ファンが聞いたらがっかりするよ?」
那「イメージ崩れるね」
椿「おい筋肉!何そっち側の顔してんだよ!?」
和「それじゃ失礼します、那須さん。…………椿くん」
椿「な、何だよその視線は」
和「…………(ぼそっ)なんか幻滅した……」
バタン。
椿「………………………………………………………………………」
那「ん?椿くん?おーい。…………燃え尽きたの?なんか髪真っ白だよ?」
那須最強で、完。