★妄想の釜:雨格子の碗
□私のMを探して
1ページ/5ページ
<書斎>
椿「おーい、和……。いねぇのか」
日「何か御用ですかい?」
椿「お前に用はねぇ。和は何処だ?」
日「ひでぇ言い草だなぁ。一晩同じ部屋で過ごした仲だってぇのに」
椿「誤解を招く言い方はやめろ……!大体それ、和も一緒だっただろーが!!」
日「はいはい、そうでしたね。……で、和さんがどうかしましたかい?」
椿「ちっとばかし聞きたい事があるんだよ」
日「実家は豆腐屋、現在一人暮らし、猫好き独身彼女なしですぜ」
椿「そーゆー事じゃねーーっっ!!!!」
日「好みのタイプは面倒見の良い年上の、着物が似合う役者です」
椿「それお前の希望だろ!?」
日「ここだけの話、俺が見た所、和さんはまだ(自主規制)ですぜ」
椿「そっちの話でもねぇよ!!お前の脳内はまるっとピンク色か!?」
日「いえ、むしろ紫です」
椿「……………………」
日「そこでヒかねぇで下さいな。しかもこの色ネタ、よく解りましたね」
椿「管理人の年齢がばれる会話はやめよーぜ。実はまりあんぬが見当たらねーんだ。お前知らねぇか?」
日「まりあんぬ?」
椿「まりもだよ。和が地下で見つけたっつってたから、当主室にあると思って見に行ったら、ねーんだもん。だから探してんだ」
日「客より先にまりもを見に行く執事って、言いたかないけどイタいですぜ」
椿「なら言うなーーっっ!!」
日「てか、まりもを見て何するつもりだったんですかい。まさか毛玉を眺めながらミルクを絞る趣味をお持ちなんですかい?」
椿「そーゆー発言はやめろ……!」
日「ああ失礼。なら『水棲植物を見ないと、股間のイルカが元気にならない人』でどうですかい?」
椿「『表現を変えろ』っつった訳じゃねぇよ!!」
日「それとも椿さん、まりもに向かって話しかける寂しいお方なんですかい?可哀相ですね」
椿「お前、俺を怒らせたいのか……!?」
日「まさかぁ。怒らせるどころか、椿さんがどこまで我慢出来るか試してたんでさぁ」
椿「むしろ今の台詞で沸点に達したぞ……」
日「まあまあ抑えて抑えて。まりも探し手伝ってあげますから」
椿「いらね。和に聞きゃ終わるから」
日「和さんは忙しいんですぜ?余計な手間かけさせたかねぇんですよ」
椿「…………。今更だが、お前の和至上主義が怖えーよ」