★妄想の釜：雨格子の碗
□ルロイ館幻想
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＜椿室＞
椿「ふわぁ……あ〜良く寝たなぁ……ってこんな時間!?起こしてくれればいいのに……」
ごそごそ……
椿「なんかおかしいなぁ……眼鏡かけてないのにいやにはっきり見える……。……アレ？ここ、僕の部屋じゃない？ベッド一つだし、これ椿くんの服……アレ？」
…
…
…
…
椿「うっわあああぁぁっっ!!??何コレ!?」
ドタドタドタ……
バターン!!!!
静「おいっ!!お前は誰だっっ!?」
椿「静奈ちゃん!?何入って来るなり変な質問してんのっ!?」
静「そのリアクション……お前和か!?」
椿「え、そのガサツさは……もしかして椿くん!?静奈ちゃんだけど椿くん!?」
静「何気にさらりと失礼な事言うのはやっぱり和だな……。そうだ、こんなナリだけど椿だよ!!」
椿「可愛くなっちゃったね」
静「そ、そうか？や、面と向かって言われると照れるぜ……じゃなくて！どうやらこの館の奴全員が大変な事になってるようだな!!」
椿「ええ!?他の人も入れ替わっちゃってんの!?」
静「少なくとも俺、和、双子の姉は確実だしな。それ以外の奴らもこうなってると見て間違いねーだろ」
椿「何でこんな滑稽な事に……」
静「管理人がネタに困って、使い古されたありがちな漫画ネタに飛び付いちまったんだろ」
椿「危険な発言はやめようよ……あれ？僕の身体には誰が入ってんのかな？」
静「知らん。俺も起きたばっかりなんだ」
椿「まあそのうち解るよね」
静「……お前、やけに落ち着いてるな。もちっと慌てろよ」
椿「何で慌てるの？原因は解らないけど、どうなったのかは解ったし。慌てても仕方ないじゃん」
静「はあ……お人よしもここまで来ると重症だな……」
椿「な、何それ？」
静「いいか、よっく考えろよ。俺がすぐここに確認しに来たのはな、中のヤツによっては自分の身体で何されるか解らんからだぞ？」
椿「…………」
静「正直お前で良かったよ。もしも筋肉とか双子の姉とか日織だったら俺、この先の人生生きてけねーもん」
椿「………………」
静「お、やっと状況が理解出来てきたな。顔色が悪いぞ」
椿「ど、どどどどどうしよう!?」
静「落ち着け。今から館中を回って、お前を捜す。協力してやっから」
椿「あ、ありがとう椿くんっっ!!」
静「……頼むから俺の顔で泣かないでくれ……」