★妄想の釜：雨格子の碗
□突撃！日織くん！！
1ﾍﾟｰｼﾞ/9ﾍﾟｰｼﾞ
＜和＆日織室前＞
日「皆さんおはようございます！毎度お馴染み、ちり紙交換――じゃなくて、高遠日織でございます！さてこんな明け方に何をするのかと言いますと、『帽子屋』を装った犯人によって、集められた役者さん方の部屋を相棒と訪問致しまして、意外な一面を覗いちゃおうという突撃企画なんですね!!」
和「今更だけど、長い前フリだよね、これ……」
日「……おや？」
和「ん？どうしたの？」
日「……和さん？」
和「そうだけど。見て解るでしょ」
日「……もしかして、和さんが相棒ですかい？」
和「そうだよ」
日「………………」
和「日織？何うずくまってんの？」
日「いえ、生まれて初めて神様に感謝してたんでさぁ。なんせ今までの相棒と来たら、ツッコミだけはいっちょ前の不良とか、中身は乙女のくせに外面は硬派な探偵とか……ああ、やっとここに来て、この企画が好きになれましたよ」
和「日織、このシリーズの制作順を知らない人が見たら、訳の解らないような発言は止めてよ……」※この作品は４作目です。念の為。
日「解りました解りました。和さんのおっしゃることなら何だって聞きまさぁね。今すぐ結婚してくれと言われても、そりゃあもう喜んで承諾いたします!!」
和「いや、そんな事は絶っっっ対言わないから」
日「おや？言わないんですかい？」
和「何残念そうにしてるの……？あのさ、前から思ってたんだけど、日織って……」
日「なんですかい？」
和「いや、その……日織ってまさか、ホ……なの？」
日「はい？聞こえませんが」
和「だから……ほら、あの、……モなの？」
日「声が小さいですよ？もっと！はっきり！大きな声で！言って！下さいな!!」
和「……いや、いい……気にしないで……」
日「顔が赤いですぜ」
和「わざわざ言うなーー!!もうっ！最初の部屋に行くよっ!!」
日「照れ隠しのために、大きな声を出しているのがバレバレです」
和「だからわざわざ言うなーー!!」