★妄想の釜:雨格子の碗

□突撃!椿くん!!
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<椿室内>

和「すー…すー……」

日「ぐっすり寝てます。しばらくは起きないでしょう」

椿「よっしゃ。そーっと出るぞ」


<椿室前>

椿「皆様こんばんは。この館の執事、椿でございます。今夜は当家にお集まりの方々の意外な一面を知って頂こうと、就寝直前ていうかもう寝てるだろって時間にお部屋を訪問致しまして、色々なお話をお聞きしようというのが、この企画の趣旨でございます。しばらくの間お付き合い下さいませ」

日「さすが努力家。さくさく台詞が出て来ますねぇ」

椿「これでいいんだろ!?くそ、何で俺がこんな目に……」

日「椿さん、口調口調」

椿「……失礼致しました。何故私がこのような目に合わなければならねぇのか、さっぱり理解出来やがりません」

日「更に乱れてますよ。だって椿さん、花札負けたんですもん」

椿「だからって、これはねーだろーが!!」

日「あっはっは。死して屍拾うものなし……」

椿「命狙われてる俺に縁起でもねー事言うんじゃねー!!しかも笑いながら!!そもそも部屋から出てもいいのかよ!?俺に何かあったら、どう責任取るってんだ!?」

日「安心して下さい。遺族への手紙は俺が書きまさぁね」

椿「死亡確定かよ!?」

日「『成瀬さんのツッコミは最期まで鋭かった』と書いておきます」

椿「全然誉めてねぇよ!!」

日「『きっと犯人にも、ノリツッコミを入れたことでしょう』……」

椿「だから全然誉めてねえって!!しかもノリでかよ!!」

日「『極楽浄土でも、ツッコミを入れているに違いありません』……」

椿「俺にはツッコミしかないのか!?そうなのか!?」

日「さぁて、そろそろ最初の部屋に行きましょうかね」

椿「流すなよ!!おいこら、待てって……!!」
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