★妄想の釜:雨格子の碗
□僕の7日間戦争
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★7月21日の日記★
今日は運が悪いこともあったけど、たくさんの出会いもあった。
それは結果的に喜ばしい事なんだけど、僕が迷い込んだ館には、どうやら危険な人がいるらしい。
早く迎えが来ないかな。
◆ ◆ ◆
日「和さん……一目惚れって信じます?あと萌えとか」
和「詳しく聞きたくないから信じない。てか僕を凝視しながら言わないでくれる?そーゆー台詞」
暗「着流しにも春が来たか……」
和「暗石さん、この人に春が来たのには頷けますが、それは頭にだと思います」
椿「『萌え』って単語と並べられると、『一目惚れ』って言葉がものっそい空気をかもし出すな……」
那「なんか爽やかな風が一気に脂ぎった感じだね!」
静「着流しさんの視線からして、見るからに欲望まみれやもんね」
日「和さん、俺の事は呼び捨てにして下さいよ」
和「なら僕を『和さん』とか親しげに呼ばないで……!!初対面なんだからね、僕達!!」
椿「『親しげ』どころか粘着質だ……」
日「え?前世のことを忘れちまったんですかい?和さん」
和「脳内で捏造するなーーーー!!!!」
御「まあ素敵……前世からの恋人だなんて……」
鈴「御陵さん、『前世からの恋人』の部分以外もちゃんと耳に入れて。頼むわ」
日「ほほう、和さんは21歳なんですかい。……法的には大丈夫ですね……」
和「あっ!僕の免許証いつの間にっっ!!??ってか何がどうなって『法的に大丈夫』なのか聞きたいんだけど!!??」
静「性犯罪的な」
鈴「お姉ちゃん、シッ!!」
和「性犯罪!!??」
椿「いやいやいや、それ色んな意味で大丈夫じゃねーだろ」
御「そうですわ。一柳さんの親御さんにきちんとご挨拶してからでなくては」
那「そうだよね!大切なお子さんを預かるんだからね!!」
椿「そこは同意じゃなくてツッコめよっっ!!??」
暗「ところで、坊主はどこで寝るんだ?」
日「俺の部屋ならベッドが二つありますぜ」
那「日織くん、鼻血が出てるよ」
和「椿くん!泊めてくんない!!??」
椿「俺の部屋?別に構わね……」
日「……………………」
しゃーこしゃーこ。
暗「おい着流し、刀研ぐのは台所でしろや」
椿「……えーと……すまん和」
和「見捨てないで――――!!??」
鈴「……それはそうと、斑井さんが静かやね」
暗「ああ、さっき坊主を追い出そうとする発言した直後に、着流しに砂(※「フクロ」の意)にされてダウン中だ」
静「井戸の横に放り出されてるよ」
鈴「見とったんなら止めーな!!??」
和「あああ……泊めてもらえるなんて幸運だと思ってたのに、こんな危険人物がいるなんて……」
静「和たん、これ使ってな。うちからのささやかな贈り物よ」
鈴「お姉ちゃん、食用油なんか渡さんといて。生々しいわ」
和「………………(泣)」
☆7月21日・終了☆