★交流の釜:宝物の碗
□絶対無敵☆忠彦さん!
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和「は…はあ…なんか全然納得がいかないですが…」
暗「じゃあなにか!?てめえは!俺が!矢を額にブッ刺されたのを気付かないで!今日という日を過ごしていたとでも言いてえのか!?」
和「い、いや…何もそこまでは………ていうか…気付かなかったんですか??」
暗「バッ…ききききききづかないわけななななないだろうが。コラ。」
和「すっごい汗が垂れ流されてますけど……」
暗「た、確かに…便所行った時に嬢ちゃんとすれ違って
『ヒッ…!!』
て悲鳴上げられたけどな…そん時はアレだ。窓全開だったのを見られちまったと…」
和「額に矢ぁ刺さったまま、社会の窓全開だったんですかっ!?」
暗「違うっつてんだろうがっ!矢が刺さってるなんざ知らなかった……あ」
和「……やっぱり…気付いてなかったんですね……」
暗「…………ああ。実はな…全く気付かなかったんだ…」
和「いや、なんとなく最初からわかってましたから…」
暗「こんな見事にブッ刺さってる矢に気付けなかったって…正直恥ずかしくてな…悪ぃな坊主。見苦しい言い訳をしちまったぜ……フッ…」
和「え…ええ。た、確かにソレが刺さってるのに気付かないって色々な意味で恥ずかしいとは思いますが…ぼ、僕は気にしてませんよ?」
暗「しかし、今俺は額に矢が刺さってる事に気付いた。だが死なねぇ。………と、言う事は、キューピットの矢的なモンって可能性も残されてると思うんだが」
和「ええっ!?まだ言いますか!?…そ、それは確かに不自然な気もしますが…でも今生きてるんだからいいじゃない…」
暗「じゃあ、てめえは俺に一生この矢ブラ下げて生きろっつーのか?」
和「い、いやいやいや!それはさすがにオカルトですよ!」
暗「だろ?この矢をどうにかしない限り、俺はここから出られねえ。つーか便所にすら行けねえ。」
和「う、うーん…それは確かにそうですが…皆には事情を話して、病院に行くまでそのままにしといた方が…」
暗「誰かに抜かれたらどうする?」
和「はい?」
暗「キューピッドの矢的なモンはな、抜かれた相手に恋しちまうんだよ」
和「え…ええ?刺した相手に恋しちゃうんじゃ…」
暗「それはキューピッドの矢の事だろ。俺が言いてえのはキューピッドの矢的なモン。だぜ?」
和「ち…違いがあまりよくわからないんですが…」
暗「忠彦広辞苑の中には、そう記載されてんだよ」
和「そんな読解不能な広辞苑開かないでくださいっ!」
暗「とにかくだ。これを誰かに…筋肉とか筋肉とか…あの筋肉野郎に引っこ抜かれたらどうする!?」
和「全部那須さんの事じゃないですか!」
暗「あまつさえ、俺があの野郎に恋しちまったらどうする!?ホられるのか!?俺がホる側か!?どっちだ!?」
和「ソコなんですかっ!?」
暗「その上、新しい母ちゃんだって…あの野郎を娘になんて紹介すりゃいいんだ!?」
和「妄想発展しすぎですから!ていうか心配するポイントがズレてますから!それに…ちゃんと事情を話せば、那須さんだって…」
暗「事情説明しても、あいつがちゃんとあの筋肉脳にインプットしてくれる保障はねえ」
和「う…そう言われると…」
暗「で、だ。俺は覚悟を決めた。だから坊主、お前も覚悟を決めろ。」
和「へ??な、なんで僕が??」
暗「お前がコレを引き抜きやがれ」
和「え?えええええっ!?なっ…なんで僕があっ!?」
暗「お前ならホる側に回れるし、娘にも紹介できる。」
和「いっ、い、いやいやいやっ!!なんでソコにそんなこだわるんですかっ!?」
暗「いいから抜け!…さっさと抜いて…俺をこの痛みから解放してくれ…!!」
和「痛がる素振り全くなかったじゃないですかっ!!」
暗「チッ……とにかく抜け。これで俺がお前に恋したら晴れて坊主は俺の嫁。…違う事が起こっちまったら…晴れてお前は容疑者。それでいいじゃねえか」
和「よくないですよっ!何一つよくないからっ!どっちも晴れてませんから!」
暗「正直便意がギリギリなんだ。早く抜かねえとここでタレ流すぜ?(ニヤリ)」
和「何その脅迫っ!?なんでそんな恥ずかしい脅迫しながらニヒルな笑い浮かべてんですか!?」
暗「はい、3…2……」
和「そのカウントダウンやめてーっ!わかりましたっ!抜きます!抜きますから!」