★妄想の釜:特別の碗

□かえるの王さま
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<Scene.3>

お姫様は嫌々蛙を寝室に連れて行きました!そして蛙を壁に叩き付けました!!はいやって!!!!

姫「とにかく話を早く進めようって魂胆が見え見えだな」

蛙「姉離れの出来てへん弟で恥ずかしいわあ」

姫「そう言うな。いずれは成長して離れて行く時が来るんだ。それまでは仲良くしてやんな……」

何人生相談してんの!!

父「旦那、いい男だなぁ……」

こら着流し。何娘の寝室に入りこんどんの。あんたの出番は終わったんやけど?

父「何言ってんです。俺はただ父親として、年頃の娘が心配で心配で」

……その手に持ってるカメラは何?

姫「上手く撮れよ?」

父「和さんをいつも隠し撮りしてる腕前を見せてやりまさぁね!」

助長さすなやオッサンーーーー!!!!

蛙「いややわ着流しさん。うち今すっぴんやのにー」

父「大丈夫!そのままでも充分美しいですぜ!!」

ノリノリにならんといてなお姉ちゃん!!!!
くそ!こうなったら強行手段……照明さーーーーん!!!!

(暗転)

姫「あ?」

父「おや」

蛙「わっ」

(点灯)

姫「お、点いたな……ん?」

父「おや?蛙がいなくなって……代わりに……」

お姫様が蛙を壁に叩き付けると、なんと!!蛙は王子様の姿になったのです!!!!!!

王「はっはっは。驚いたかね君たちぃ!私は実は悪い魔女の魔法で蛙に変えられていた、王子様だったのだよ!!」

姫「………………」

父「………………」

王「ん?驚きすぎて声も出ないかね?まあ当然だろうな。私の輝かしい主役級とも言える役柄と違って、君達はいわば端役!むしろ引き立て役!!まるで醜いアヒルが白鳥に変身したかの如くの立場の逆転劇!!!!これが格の違いというものだよ!?格の!!それも役者としてだけでなく、人間としての――」

姫「うるせえ」

バキッ!!!!

王「あぴぱっっ!!!!」

ちょっ……おっちゃん!!ここ王子様に暴力ふるうとこちゃうから!!!!

姫「そうなのか?」

父「言葉の暴力を受けたのでとんとんかと」

姫「よっしゃ」

こら着流しーー!!!!

王「ちょっ……待ちたまえよ君ぃ!!」

姫「息が臭ぇ。不快だ」

ドカッッ!!!!

王「ほげぇっっ!!??」

おっちゃーーん!!??

父「見事なエルボーでさぁね、旦那」

王「こら暗石く」

姫「俺に視点を合わせるな」

どごんっっ!!

王「はべっっ!!!!」

うっわあっっ!!!!

父「ほー、ツイストアームロックですかい」

王「君、やめたま」

姫「その出っ腹が見苦しい」

ゴスンッッ!!

王「ぴぎゃあ!!!!」

うわわわ……

父「うーん、こんな間近でドラゴン・スープレックスを見れるとはねぇ」

王「ちょっ……」

姫「俺に話しかけるな」

ボギッッ!!!!

王「ぎひぃぃっっ!!!!」

あああ、床があっと言う間に真っ赤っ赤に〜……

父「ああ……レッグスプリットはやっぱりいい……」

王「くく暗石く」

姫「名前を呼ぶな。腐る」

ギャボス!!!!

王「どっひいぃぃ!!!!」

父「鋭いショルダースルーを出せる奴ぁ、そういませんぜ!!」

あわわわわ……ど、どないしよ……

王「待っ」

姫「なんかもうとにかくとことんむかつく」

父「ああっっ!!??その構えは……ギロチンチョーク!!??」

照明さーん!!??ヤバイ!!暗転暗転!!!!

(暗転)

ボキゴキゴキバゴンビシビシ……

王「ちょわああぁぁぁ…………(断末魔)」


おしまい★(合掌)
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