★妄想の釜:特別の碗
□かえるの王さま
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<Scene.2>
えーと……蛙と仲良しになるという約束をして金の手鞠を取り戻したお姫様は、とんずらこいて城に戻ったのであった。
姫「強制的に話を進めやがった」
父「だって長々と漫才続けても、ページの無駄でしょうに」
姫「なんでお前が俺の父親役なんだ?年齢的に無理ねぇか?つかむさ苦しい」
配役にツッコミ入れてもなぁ……どーせ変わらんし。
父「俺としちゃあ、和さんがいない事にとりあえず文句を言いたいですがね」
姫「あいつがいると、退屈はしねぇしな。怪談聞かせて泣かしたり、からかって泣かしたり、脅して泣かしたり」
泣かしてばっかりやん。それこそお兄さんが聞いたら泣きそうな事言いおってからに。
……話進めよ。
蛙を騙して城に帰ったお姫様でしたが、王様との食事中、なんと蛙が城まで来てしまったのです。
コンコン。
父「おやお客さんですかい?」
姫「お前、出ろ」
いやそこはお姫様が出てくれな。王様の父親をアゴで使うお姫様なんて前代未聞やで?
姫「それはそれでアリだろ」
ないからね?そんなお姫様なんて捜してもどっこもおらへんからね?
父「椿さんの妄想の中にはいそうですがね」
蛙「うん、おるやろね」
ちょっと!何勝手に人様の家に上がり込んでんの!?最悪な蛙やない!?
父「おや?自分の実の姉を最悪とか言ってますぜ?」
姫「その鬱屈した精神構造が女装へ走らせるんだな」
や、お姉ちゃんが最悪なんやなくて、家に無断で入って来る蛙が最悪っちゅー……
蛙「鈴……帰ったら阿鼻叫喚コースね」
阿鼻叫喚!?絶叫よりも怖そうやねんけど!!??
父「なんか楽しそうですやね。見物させて下さいな」
見世物ちゃうわー!!!!
蛙「見物料は一万円、参加料は二万円」
姫「ちっ、しょうがねぇな」
って何二万円払ってんのっっ!!??参加するつもり!?
蛙「さて、懐が温まった所で、話進めよか」
父「えーと、この次のシーンは蛙とお姫様がベッドインでしたね」
姫「何?それを早く言えよ!!」
ちゃうわーー!!!!何適当な事言うとんのやこん出歯亀着流し野郎が!!
父「適当じゃないですぜ。蛙がお姫様のベッドで一緒に寝たいと言い出して、仕方なしにお姫様が自室に蛙を連れて行くんでさぁ」
ならそう言え!!あんたの言い方はやらしいねん!!
姫「ふっ。今夜は寝かさねぇぜ」
蛙「一晩中可愛がってな、だーりん♪」
お姉ちゃんも何その気になってんの!?ってかお姫様が蛙抱き上げるシーンちゃうから!!
父「これがホントの『お姫様抱っこ』でさぁね」
お前はだぁっとれーー!!!!!!