過去拍手『兄弟衝突』
□壁の向こうの神秘
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[拍手小話22]
「じゃあ、五階のお風呂借りますね」
「お借りしまーす♪朝日奈ー、覗くなよーっ?」
「誰が覗くかよッ!?」
そう言って、二人の女子高生が脱衣場に消える。
「いいね〜、女の子二人の入浴タイムか〜。是非ともご一緒したいところだね〜」
「…したら確実に通報モノだけどな」
リビングからそれを見送るキョーダイたち。
今にでも脱衣場の扉に向かいそうな要に、釘を刺された侑介がその妄想の結末を告げる。
本日、妹の部屋には友人の真秀子が泊まりに来ていた。
自室の浴室では狭いからと、二人で一緒に五階の広いお風呂に入ることにしたらしい。
「女の子同士の入浴ってさ〜、男の夢だよね〜」
「…夢、かぁ?」
うっとりする要に対し、その矛先がよく分からない侑介。
「ゆーちゃんは修学旅行とかどうしてたの!?女風呂覗くのは鉄板でしょ!?」
「はぁ!?し、しねーよ!!するワケねーだろ!?」
「覗けないにしても、壁に耳当てて声聞こうとかするでしょ!?」
「してねーよ!?だっ、第一、んなの耳当てたくらいで聞こえるワケねーだろッ!?」
侑介の顔はその様を想像したのか、自分が入浴したかのように真っ赤である。
「…そうなんだよねぇ…修学旅行とかで行く旅館の大浴場ってさ、広いし室内だし、例え隣り合わせだったとしても、向こうの声なんて聞こえないんだよねぇ…」
「…つまりは、本当に試したってことなんだね、要…」
今はお風呂には近寄らせないよ、とでも言わんばかりに、雅臣が座っていたソファーの位置をずらす。
「雅兄もしなかったの!?例え見られなくてもさ、『絵麻の胸、おっきーい!触らせてー!』『や、やだまほちゃん!そんなトコ触っちゃ、あ〜ん!』みたいな女の子同士の戯れを聞いて下半身疼かせるようなことするでしょ!?」
「しねぇよッ!?」
「要、たまらなく気色悪いからやめてくれないかな…」
赤い顔で否定する侑介と、薄い半目で見据える雅臣。
「大体、女の子ってそういう行為するのかな?」
「え、しねぇモンなのか?よく漫画だとそーゆーシーン出てくるぜ?」
雅臣の疑問にふと答えてしまった侑介だが、
「そういうシーンがある漫画を読むんだー?なーんだゆーちゃん、やっぱり興味あるんじゃないのー?」
しっかり要に拾われてしまう。
「バッ、バッカやろ!お、俺は一般的に、って意味でだな!!」
「はいはい、侑介の性的嗜好は置いといて…だってそのシチュエーションって、逆の性別で考えるとね――」
と雅臣が要の例に乗っ取って例えをあげる。
男A『おっ!何だよ、お前のデカイじゃん!ちょっと触らせろよ!』
男B『や、やだよ!やめろって!』
男A『いーじゃねーか!ほら揉んだらもっとデカクなんじゃね?』
男B『やめろってば!うっ、あぁっ!!』
「――ってことでしょ?男同士でそんなことするかい?」
「…しないね」
「…しねぇな」
要と侑介も同意を示す。
「でしょ?ってことは女の子同士だって」
「するよー?」
雅臣の解説を遮るように、よく通る声が割り込んできた。
「つばちゃん」
「つば兄」
声の方向には、いつ来たのか椿の姿があった。
「え?今のまさにーが言ってたシチュエーションでしょー?お風呂入って触りっこ★」
「う、うん、そうだけど…」
「だからするよー?『ちょっと触らせてー♪あ、おっきくなったー♪』『ちょっとやめてよ』って、するよー★」
ここまでくると、話の顛末も見えてくると言うものだが、一応椿に尋ねてみることにする。
「椿…それは誰と誰の話かな?」
雅臣の一応の確認に、あっけらかんと椿は答える。
「俺と梓に決まってんじゃーん★」
「…だよね」
雅臣が思わず明後日の方向を向いてしまったのも仕方ないだろう。
「え?え、結局、ヤロー同士はすんの?オンナはすんの?どっち?」
「…ゆーちゃん、それはね、多分普通の男は知ってはいけない禁忌の領域なんだよ…そうか、だから女風呂の会話も聞けないものなんだね…俺は悟ったよ…」
「は?かな兄、ちょっと?俺、全然分かんねーんだけど!?」
変な悟りを開いてしまった要と、いまだに展開についていけない侑介、もう会話に入ろうとはしない雅臣。
そんな三人には気にも止めず、リビングに入ってきた人物に椿は弾んだ声をかける。
「あ、あっずさー♪今日も一緒に風呂入ろーなー★」
『壁の向こうの神秘』〜終わり〜
うーん、不発…。
最近下ネタに関わらない生活を送っていたので、ネタの出所がなく…。
実際、皆様お風呂で、友人女子のちち揉みますか?
(私は揉んだことも揉まれたこともないです。)
あれって男の妄想でしかないと思ってるんですけどねー。
女子高とかだと違うんかなー?
でも女子高の女子って平気でスカート捲り上げたりして、基本的に共学女子より慎みないしなー。
まぁ幾らか譲って、女子のちち揉みはあったとして…
男子のピー揉みはないよね?(苦笑)
そんなんあったらイジメだよね…。
そしてこの小話の最大の言い訳。
BLじゃありませんから!!!(苦笑)
拍手有難うございましたm(__)m
2014/04/16
藤堂市松 拝
〜拍手移動後の後書き〜
後に、乳を揉み合う女子は実在する、というコメントをいただき、あるは男の妄想ではないんだなーと考えを改めました。
でも流石にナニを揉み合う男子はおりませんよね!!(笑)
「椿ならやりそう」
「椿なら本当にこう言いそう」
と言うコメントも頂きました。
内容はともあれ、「椿なら」と読まれた方に言って頂けるのは、書いた側としまさてはキャラクターをちゃんと描けているのかな、と嬉しくなるものです。
ええ、例え内容がナニでも。
内容がナニでも。(笑)
お読み頂き、有難うございましたm(__)m
2014/05/17
藤堂市松 拝