過去拍手『兄弟衝突』

□右が僕で 左が俺で なら俺は――
1ページ/1ページ

[拍手小話7]



椿さん、梓さん、棗さん。

ほぼ同時に生を受けた、三つ子の兄弟。

三人全員から好意を寄せられていたけど、選ぶことが出来なかったわたし。


そんなわたし達四人が選んだ道は――?




「おい、お前ら、何やってんだ」

わたしの部屋の入り口に立つ棗さんは、来るなり、少し怒りを滲ませた声音でそう言った。


三人の中では切れ長な瞳をより細めて睨み付けている視線の先には、


わたし



…ではなく、兄である一卵性の兄弟の二人。


「なに、って、なにがー?」
「そこをハッキリさせてくれないと、何も答えられないよ、棗」


しれっ、と返す二人に、棗さんはピクッとこめかみを引きつらせ、ドカドカと足音荒く、部屋の中に入ってくる。


棗さんが立ち止まったのは、わたしのベッドの前。



正確には、そのベッドに並んで腰をかけている、


椿さん
わたし
梓さん


の前で。



ソファーなんて置けない部屋だから、ベッドに腰をかけるのはいつものこと。


だから、棗さんが言いたいのもソコではない、はず。


恐らくは、わたしの右側と左側で行われている行為そのものを指しているのだと思う。


左手は椿さんに指を絡めて握られて、左の耳朶には椿さんの舌が這わされている。


右手は、梓さんの右手に取られて、指と、指の間までしゃぶられ、舐められ、更に逆の手は耳の形をなぞる様に撫でられている。


わたしは左右を二人に好き勝手に触られ、弄られ続けていた。



「二人して勝手に抜け駆けしてんじゃねぇよ」


一向にわたしを解放しない様子に、棗さんがもっと苛立ちの色を濃くしていく。


「だってさー、絵麻に俺たち三人を選んでもらうのにさー、やっぱり比べてもらわないとー、ってハナシになってー」
「同じ所を同じように、だと感覚も鈍るし、判断も難しいかな、と思ってね。なら、違う場所をそれぞれ愛してあげて、どこを愛されたのが一番良かったか、で決めてもらおうかと思ったんだよ」



そこでふと、わたしに疑問が浮かぶ。


右側にひとり
左側にもうひとり


なら、三人目がいる場合は…?



棗さんを元々数に入れていないのか、または嫌がらせの一環なのか、二人はわたしの左右の腕をそれぞれギューっと掴み、前に立つ棗さんをニヤニヤしながら見上げる。


また棗さんが二人に弄られている…わたしは勿論そう思った。



ところが、いつもなら


「お前ら、いい加減にしろ!!」


と怒鳴り付ける棗さんが、珍しく口角を上げて、左右の二人よりも意地悪くニヤァと笑った。



これには、流石の二人も思うところがあったらしく、



「な、棗ー?」
「棗、何を考えてるの?」


と、先程とは逆に棗さんに尋ねる。


棗さんはその笑いを浮かべたまま、わたしに手を伸ばすと、顎に手をかけ、そのまま親指で唇をツッとなぞる。


「ここはもう、三人で同じ感覚を与えちまったからな…」


そう呟くと、椿さんの手を取りそれをわたしの左膝に、梓さんの手を同様に右膝に乗せた。


そして、わたしの正面に跪くと、おもむろにに、その両膝の間へと腕を差し入れた――!



「えっ!?やっ!きゃあっ、あンッ!」



突如として与えられた、一番敏感な身体の中心への刺激に、わたしの口からは卑猥な悲鳴があがる。


「…濡れてるな…良い反応だ…」


先程から受けていた左右からの刺激の影響もあり、棗さんの指が触れているソコは、わたしから滴る蜜で薄い布地を湿らせていた。

そのまま頭をスカートの中に進めようとする棗さんを止めようにも、わたしの両手は左右に取られ、動かす事は出来ない。


「ちょっ、ちょっと棗ーっ!?」
「棗!何をするの!!?」


けれど、二人がその侵入をよしとはせず、棗さんの進行を阻止する。


二人に阻まれた棗さんは、口角を更にあげ、


「だって、梓が右で、椿が左、ってことは、だ」


しゃあしゃあと告げる。



「なら俺は、当然、真ん中を貰っていいんだろう?」



「やあっ!?ひゃんっ…!!」


言葉と同時に、秘められた部分にある小さな芽を強く摘まれ、わたしは再び声をあげる。


「そ…っそうきたか…」
「棗のくせに…考えたね…」



エリア分けした以上、お前らにはココは触らせねえぞ、と言う棗さんに、


右担当・梓さんと、左担当・椿さんが、待った!!をかけたのはこの直後。



――その後、一体わたしの身体がどうなったのかは……




皆さんのご想像にお任せ致します……――。




余談ですが、


この件がジュリにバレた時、



『よ、よよよ、よ、よ、よんっ……っ、ぴーーーっっ!!?』



と奇声をあげた上に泡を吹いて気絶してしまいました。



あれは何だったのか…



とは、わたしの口からはちょっと……


言えません……。




『右が僕で 左が俺で なら俺は―』〜終わり〜


まだ見てないのに、妄想のみで仕上げた三つ子EDver.その後です!

うちの棗さんがヘタレしかなかったので、テーマは「ヘタレでない棗と微エロ」でした。


一卵性EDの拍手小話
『右が僕で 左が俺で』とはパラレルでありながら、テーマは共通にしてあります。


拍手有難うございましたm(__)m


2014/02/12up
藤堂市松 拝


〜拍手移動後の後書き〜

この小話をあげた後、拍手数が異常なほどupしました。

改めて棗人気の高さを感じました。

棗は大好きなんですが…実は結構難しい。
『一番の常識人』って設定じゃないですか。
あまりハズしたことすると棗じゃなくなりますし、かと言って平々凡々じゃ椿と梓に負けてしまうので。

むしろ棗EDの「女が関わるとバカになる」くらいのキャラでないと下ネタやエロには進められませんね(苦笑)。

お読み頂き、有難うございましたm(__)m


2014/02/26
藤堂市松 拝

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ