過去拍手『兄弟衝突』

□いつか迎える未来の君を
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[拍手小話6]


「…そうなんだ、うん」


梓がリビングの家の電話に出て応対してる。

「分かった、伝えておくよ、雅兄」と、受話器を置いて電話を切る。


まさにーからの電話かー。
台本読むのに、誘惑の多い俺の部屋だと…と思ってリビングに来てみたけれど、リビングはリビングで誘惑が多い。
っつか、梓がいる時点でめちゃくちゃ誘惑激しーんだけどね♪


「どうしたのあっくん。まーくんに何かあったの?」

弥がそう尋ねると、梓ははぁと軽くため息をついた…あーもう、そんな姿も梓は色っぽいなぁ。


でも、なんだろ。

まさにーから家電に架かってくるなんて珍しーし。

梓の表情からすると、あまり良い事ではないよーな気がする。


「良い事だから心配しなくていいよ弥。雅兄から皆に伝言だよ」


そう言って、梓を俺をチラッと見た。
ん?なに?なんか俺、カンケーあるの?


「椿には残念なお知らせかもね…雅兄と彼女の子、男の子だって分かったって」


………


…………ガーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!



「甥ですか!弥のお古が回せそうですね!」と、正にオカン炸裂のきょーにー。つーか、弥の服ってまだ取ってあったの?
「また男か…我が朝日奈家は男しか生まれない呪いでも受けてるのかねぇ」そう言うなら自分でお祓いしてくれよかなにー。
「わーいわーい♪一緒にミミレンジャーごっこで遊ぼー♪」俺が言うのも何だけどさー、いつまで特撮ごっこ遊びすんの弥?
「…いや、ま…どっちだろうとアイツが子供産むことに代わりねーし…」…不憫なヤツだなー侑介(あれ?どこかで聞いたぞ同じセリフ…)。
「男か!バスケ教えてもいいかな!?」オマエはむしろ嬉しそーだなー昴。
「確か、長男の雅臣兄さんには、兜飾りがあったよね。今度持っていってあげよう」そんな考え…実は俺らよりも年上なんじゃないのー祈織。
「男の子か…アレンジは出来ない、かな」少し寂しそーな琉生。



…それにしたってー、



「あーずーさー!俺、姪っ子生まれんのちょー楽しみにしてたのにー!姪っ子に『おじちゃん大好きー!』ってラブラブになるのを夢見てたのにー!あーずーさーぁー!!」


俺は悲しいっ!


「はいはい、僕も残念だよ、椿」

「えっ!?梓もー!?」


俺は梓の切り返しにちょーびびった!

だって、前に姪っ子の話をした時には、梓は
「椿、彼女は血が繋がってないからセーフだけど、姪はアウトだから」
って言ってたよねー?


どーしちゃったの?
俺の『姪っ子萌え』が移ったー!?

「よーし!梓も『姪っ子萌え』仲間になったのなら、まさにーと絵麻に二人目頑張ってもらって、今度こそ姪を生んでもらおーよ★」

そう提案した俺の発言にも、梓はやっぱり浮かない顔。

あれー?マジどーしたの梓ー?



「…さっきの雅兄からの電話、まだ続きがあってね」

「うんうん、なーに梓ー!?」


そこで梓はまた、悩ましげなため息をひとつこぼす。


「…みっつ、あるらしいんだ」


「…なにがー?」


みっつ?
なにがみっつ?




「……心音」


「あー心音!心音って心臓の音っしょ?心音がー…」



心音が、みっつ?


それって、


それって、さー…



「…更に、みっつ、付いてるのも確認出来たらしいよ」


みっつ、付いてる…?


付いてる、って、なにが?


いや、おナカの赤ん坊に付いてる、って言ったらさー!


「…ヘソの緒?」


「…それ、絶対に付いてるからね。人数分確実に付いてて当たり前だからね、椿」



そして梓は、

もう、椿も分かってるんでしょ?

と、またため息をついて言った。


「僕達キョーダイ、にも必ず付いてるものが付いてるんだって」



うん。


分かってた。


いくら俺でもねー。


分かってた、けど…。





「姪っ子じゃないだけじゃなく、いきなり甥っ子三人かよーーーッッッ!!!?」





うちのパワフル母さんですら、俺らを産んだ後は、出産疲れと育児で他に全く余裕はなかったっつーし…。


マジでウチ、呪われてんじゃねー…?


あー、愛しの姪っ子に出逢える日はいつか来るのでしょーかっ!?




俺の悲しー絶叫と、今日何度目かの梓のため息がリビングに流れて行った…。



『いつか迎える未来の君を』〜終わり〜


雅臣EDエピローグ後の椿視点でしたー。

梓視点がかなり気に入ったので、じゃあ今度は息子にして椿視点で。

との安易な考えで書き始めたのですが、当初は椿が自分の一人称であることを忘れたかのように、やたらめったら変態発言をかましてくれていたので、大幅にカットして、こうなりました( ̄▽ ̄;)


侑介の台詞が同じなのはわざとです。


別に甥っ子たちの誕生を喜ぶ気がないのではなく、やはり自分たちで体験(経験)しているが故の三つ子の悲哀と言いますか…


まだ生まれていない以上、どうしてもそちらが先にたってしまった、という、そういう心情の二人です。


そういや、タマゴは必ず二つまでしか分かれないんでしたっけ?
つまり、三つ子は(一卵性の二人+別のタマゴの一人)か(みっつともタマゴ別)のどちらかになるんですよね?
自分たちと同じ組み合わせだった時は、棗がそりゃあ可愛がってくれる事でしょう、タマゴ違いくんを。


拍手有難うございましたm(__)m


2014/02/11up
藤堂市松 拝


〜拍手移動後の後書き〜

姪と甥バージョンで書いた、一卵性それぞれのお話でした。

椿視点をあえて甥にしてみて…


やっぱり姪バージョンの方が書いてて楽しかったと、ちょっと後悔(苦笑)。


あと、三つ子で一卵性甥×2の姪×1と言う設定のもあるんですが(産まれた後)…


これ以上オリキャラ作るのもどうよ?と思うので、多分書かないと思います。


椿はギャグや下ネタでは使いやすいキャラクターですが、進行役には向きません、暴走します( ̄▽ ̄;)


お読み頂き、有難うございましたm(__)m


2014/02/25

藤堂市松 拝

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