BROTHERS CONFLICT

□プレイング ドリーミング
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白い薄い生地のワンピース(キャミソールっつーの?)姿の絵麻が俺の前にいる。

ピンク色のほっぺに、何かウルウルした目で俺を見つめてる。


ヤベー。


何だよ、この状況。


バクバクと破裂しそうな心臓をなだめつつ、俺は目の前の絵麻の体に手を伸ばし、


肩を掴んで抱き寄せる。


あったけぇ。

んで、柔らけぇ。


……妙に柔らかすぎる気もするけど。

何か、弾力はなくて、ほわほわしてるけど。


まぁとにかく柔らかくて、気持ちはいい。


キス…してもいいかな…。


…いいよな、こ、恋人なんだ、し。


俺は絵麻に顔を寄せる。


すると、絵麻はスルッと腕の中から抜け出して、さっきの触り心地の印象のまま、ふわりふわりと舞うように離れていく。


『オ、オイ、ちょっ!待てよ!』

慌てて絵麻を追いかける。

羽毛のように、ふわふわしてる絵麻を何とか捕まえようと、俺は必死に手を伸ばした。


あと少しで、手が届く。


その瞬間、



「きゃあああああぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!」



あり得ないほどの大音響の悲鳴が、俺の耳を貫いた――!




「なっっ、何だよっっ!?」


ガバッと慌てて飛び起きる。


…ん?飛び起きる??


俺の目の前には見慣れた壁や棚。


あ、俺の部屋。



そして、掴んでいる薄手の掛け布団は、半分以上がベッドからずり落ちている。
ほわほわ、の正体はこれかよ。



……うん、夢か、そうだよな、夢だよな……ちくしょう夢かよ…。

はぁと息をつくと、俺に向けられる強い視線に気付く。


ふと見ると、絵麻がベッドから離れた場所で、壁に背中を付けて、しりもちついた体勢で座り込んでいた。


「よ、よう」


情けない朝の挨拶。

だけど、いつもならそれに、「おはよう侑介くん」と返してくれる絵麻は、目を見開いたまま、真っ赤な顔して、その体勢のまま固まっていた。


「? 絵…」



先程の悲鳴の主が、夢の中ではなく、現実の彼女だったと、その時になんとなく理解する。


微動だにしない絵麻に呼び掛けようとすると、外からバタバタと激しい足音が聞こえ、次いで俺の部屋の玄関ドアが勢いよく開けられた。


「ウルサイよ!朝からバカ侑介の部屋でなに叫んでんのさ姉さん!!」

怒りの形相で怒鳴り込んできた風斗は、まず固まった絵麻を見つけ、そしてその視線を辿って俺の方へと目を向けてきた。


途端に、普段はアイドルぶりっこを浮かべるそのおキレイな顔全体が、これ以上はねぇ、って位に歪められた。


「…なにコレ…朝っぱらから、なんのプレイ…?」


「あん?」


風斗の表情に俺も顔を歪め、絵麻と、その視線を追いかけた風斗の見つめる先へと目を向ける。


ベッドの上。


つーか、俺?


俺の―――




「どわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!!」




そして、本日二回目となる大絶叫が俺の部屋から響き渡った――。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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