BROTHERS CONFLICT
□君と過ごす今日と言う日
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「はい、出来た…ちぃちゃん、可愛い…」
琉生さんにセットしてもらって、左側に編み込みを施されたわたしの髪。
「あ、ありがとうございます、琉生さん」
「次はお出かけ…ね。ちぃちゃんに似合う春物のワンピース見つけたんだ…買いにいこう?」
琉生さんがヘアメイクの道具を片付けながら、わたしにそう言う。
「あのですね、琉生さん」
「なに?ちぃちゃん?」
「あの…わたしが髪をセットしてもらって、服を買ってもらうって、おかしくないですか?」
んー?と口元に指を立てて、琉生さんは首を傾げて考える仕草をし、
「なにも…どこも…おかしくないよ?」
そのまま、ほわっと笑った。
「いえ!おかしいんです!おかしいんですよ!だって…!!」
わたしは側の壁に掛かっていた、カレンダーの今日の日付をビシッと指差した。
「今日は、琉生さんのお誕生日なんですよっ!?」
わたしの指差した先をじーっと見つめた琉生さんは…
「うん…そうだね、今日は僕の誕生日だね」
また、ほわっと笑った…。