BROTHERS CONFLICT
□君と過ごす今日と言う日
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「一日好きにさせて…って言ったでしょ?…僕はちぃちゃんをもっと可愛くして、可愛くなったちぃちゃんと一緒に過ごしたい…それが何よりの誕生日プレゼント…だから」
ね?と、そう微笑まれると、もう何も言えなくなる。
そんな殺し文句…彼氏さんに言われて、ときめかない女子がいるものか、いやいない。
「分かりました。じゃあ、次のわたしの誕生日にはわたしが琉生さんをもっと素敵にしたいです!その時は琉生さんを一日好きにしていいですか?」
「…もちろん…行こう、ちぃちゃん」
「はい♪」
そして、二人で駅前のショッピングビルに買い物に出かけた。
なんだ、こういう事で良かったんだ。
初めての彼氏さんのお誕生日。
お祝いの気持ちがあれば、それで幸せになれるのだと、わたしは改めて気づく事が出来た。
…お祝いの気持ちがあれば。
…気持ちが。
…気持ち…
「あ、あの…琉生さん…?」
「なぁに、ちぃちゃん…?」
「何してるんですか?…と言うか、わたし、何をされてるんですか?」
ショッピングをしてお食事をして、幸せな気分でマンションに帰ってきて、今は琉生さんのお部屋で二人でまったり。
…してたハズなんですが。
「ちぃちゃんの…服を脱がして…ます」
そう、わたしは今、何故か琉生さんに服を脱がされています。
「あ、あのですね、琉生さん…その、こういうのは…」
「…ダメなの…?」
琉生さんがまた指を口元に立てて首を傾げる。
「だって…ちぃちゃんを…一日好きにして、いいって…言ったよね?」
そして、琉生さんの手が伸びて、わたしのワンピースはすんなりと剥ぎ取られる。
「自分がプレゼントした服を…脱がせるの…ドキドキする…」
「る、琉生さん…?」
なんか、ちょっと、この展開。
わたしの頭の中に、再び浮かんだのは、三男と十二男のあげたプレゼント。
「オトコがね…服をプレゼントするのは…それを脱がしたいから…なんだよ、ちぃちゃん…?」
下着姿になったわたしのカラダを、いつも髪に優しく触れる琉生さんの手が滑っていく。
「あ、あの…あっ」
「あぁ…そうだ、ちぃちゃん」
「ふっ…なん、ですか…?」
触れる手の優しさとは反比例するように、わたしのカラダは熱を発して、もっと強くと願ってしまう。
「ちぃちゃんのお誕生日は…僕を好きにして、いいからね…?」
――楽しみに、してる。
そう囁く琉生さんの腕の中で。
わたしは、好きにされると言うお誕生日プレゼントを贈ったのでした――。
〜終わり〜
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