BROTHERS CONFLICT
□開け放たれる、獣の檻
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「なーんだ、そんなに僕のココが気になってるなら、早く言ってくれれば良かったのに」
「ちっ違っ!気になってない!気になってなんかない!」
「でもー…つい見ちゃうくらいなんでしょ…?」
「あっ開いてたから気になっただけでっ」
「でも開いてたのに気が付いちゃうくらいなんでしょ?」
背を向けていた風斗は絵麻に向き直り、ジリジリとその間を詰める。
絵麻は逆にズリズリと下がるが狭い室内で背後にベッドもある為、移動範囲には限界がある。
追い詰めた絵麻の手を取ると、先程あげたばかりの自身のジーンズのファスナーにその手を誘導し、自分の手も添えた状態でトップを摘まませる。
「ふっ!風斗くんっ!?何するのっ!?」
「見たいんでしょ…?いいよ、絵麻になら…見せてあ・げ・る…」
ジーッと言う微かな音がやけに室内に響く。
絵麻は気付かないが、DVDはすでに再生を終えていた。
絵麻はファスナーから手を振り払う。
その絵麻の手首を掴んで、風斗は更に絵麻に近付く。
「ほら、絵麻…見て」
「やっ…!!」
「見なよ」
腕を掴んでいるのとは逆の手を絵麻の赤い頬に添え、視線を向ける様に促す。
半ば強引に見せられている状況に、羞恥のあまり、絵麻の瞳が潤み出す。
「ふっ…ふ…と、くん…」
「ヤバい…絵麻に見られるのも、絵麻にそんなカオされるのも、かなりクる…」
掴んだままの手を再び、その開かれた部分へと運ぶ。
「なっ何するの!?」
強引に触れさせられた風斗自身は、羞恥で熱くなっている絵麻の指よりも火照って熱を発していた。
「…この中、興味ない…?」
「な、なっ、中ってっ…」
「インナーは見えちゃうこともあるかもしれないけど…中はさ、絵麻にしか見せないよ。だからさ、絵麻…」
絵麻の細い指をジーンズの内側へと誘い込むと、そこに熱と血が集まってくるのを感じる。
「見て」
手はそのままで、膝立ちの風斗は上半身を屈めて、絵麻の耳許で囁く。
「っ…」
潤んだ絵麻の瞳からは雫が溢れそうだが、風斗の中の獣ははそれで大人しくなる程従順ではなかった――身体に宿るものも、心に巣くうものも。
「ね、お願い…」
腕を伸ばし、もう片方の絵麻の指先を取ると、そちらはジーンズにかけさせる。
絵麻の手と自らの手で開かれていく、自身の獣の姿。
ついに瞳から零れ落ちてしまった雫を、舌を伸ばして啜り取る。
そのまま目尻に、頬に、唇の横にと触れていき、薄く開いた目で絵麻の瞳を覗き込みながら、告げる。
――獣が求める、その餌たる少女に――
「僕を見て…愛して……ね?」
〜終わり〜
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