BROTHERS CONFLICT

□Confusion Rush×2 Birthday
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初めての誕生日。


生まれてから、じゃねぇぞ。

アイツと付き合い始めてからの、初めての俺の誕生日だ。


誕生日って言やぁ、そりゃプレゼントだよな。


俺さ、3月31日なんて見事に年度の合間に生まれたせいか、ダチに誕生日祝ってもらうことなんかなかったんだ。


家族から祝ってもらうのは、ガキん頃はあったけどよ…。


なんせ、あの兄貴たちだぜ?


マトモな日だった記憶はほとんどない。


だからさ、いわゆる『カノジョ』になったアイツから聞かれたことに対して、どう答えりゃ適切だったのかなんて、分かりゃしねぇんだ。


「侑介くん、お誕生日プレゼント、何が欲しい?」


その言葉に、リボンをかけたアイツの姿を思い描いた俺は、多分、いや絶対健全な男子だと思う。


…けどよ、


「オッ、オメエな…っ!こんなところでンなこと聞くんじゃねぇよ!」

「え?そうなの?」

「そうなの、って…!?」

「妹ちゃん、ゆーちゃんはね、二人っきりのときに言って欲しいんだよ」


…ほら、来た。

まずはかな兄。次いで…


「『そんなのオマエに決まってるだろ、絵麻』『…やだ、侑介くんったら』って展開求めちゃったりー?侑介ってばサカり過ぎー★」

つば兄…厄介なのが…。


「椿さん!要さんも!わたし、そう言うのじゃなくて…っ!」


…ほらな。
そう言うんじゃないのは分かってたからよ。
俺の妄想だって分かってたからよ。

…追い討ちでダメージ喰らうだけだから、やめて欲しかったんだよ、兄貴たちのいるところでは…。


「え、なにその照れ方。もしかして姉さんとバカってまだなの!?付き合って何ヵ月経ってると思ってるの?うわ、あり得ないでしょ?」


…訂正。
弟のいるところでもやめて欲しかったぜ…。


「あぁもう!俺らのことに構うんじゃねぇよ!オラ、来い!」

「あっ、ちょっと待ってよ侑介くんっ!」


絵麻の腕をひっ掴んでリビングを出る。


ここで、照れと恥ずかしさに負けて、俺は絵麻を連れて自分の部屋に向かったワケだが…。


基本的に、俺も絵麻も、自分のキョーダイたちを甘く見すぎていた。


もうちょっと何とかしてりゃ、その後のバタバタは防げたかもしんねーのに…。


…って言っても、全部後の祭りなんだけどよ…。




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