TOS(+ラタトスク)

□ソバデ
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普段なら星の瞬く闇のウ゛ェールも、灰の色にそまっている空。その灰の夜空からは、結晶たちが降りそそぎ、あたりを舞っている。

そして一面の白が広がっている、それがまた空を少しだけ明るくさせていた。

一人、聖なる女神を奉った教会の前、開けた台地にたたずんでいる。

目の前には結晶の群れが、白い大地に向かってゆっくりとおりてゆく。

すっかり町並みの灯は息を潜め、結晶達とぼやけた月だけがあたりを照らしている。

「…………」

ただずむは一人の少年。銀の髪が寒さに揺れる。

しかし少年はその場を去る事もなく、ただぼんやりと町並みを眺めていた。

「さすがに、それは寒いでしょーよ」

少年の背後から男が語りかける。少年は振り向き驚いた表情を浮かべる。

「ゼロス…」

少年は自らに語りかけた男の名をぽつりと呟いた。ゼロスは黙ったまま厚手のコートを脱ぐと、少年の肩にかけてやる。


「だめ。ゼロスが寒いでしょ」

少年はコートを取ろうと手をかけるが、ゼロスは彼の肩にてをかける。

「見てるこっちが寒いって。お前こそ、なんでそんな薄着でいるんだよ、ジーニアス」

「………じゃあ、半分こ、ね?」
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