TOS(+ラタトスク)
□それぞれの、特権。
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日も暮れはじめた夕方、いつものように今日も野宿。
今日はジーニアスやリーガル、しいなと言う料理得意メンバーをさしおいて、料理当番を張り切って主張したのは、ゼロスだった。
「ゼロス、あんなに張り切ってたけど…どうしたんだろうな、珍しい」
不思議そうにロイドが言う。
「そうだねぇ…。あのハリキリ様、逆に変なもの食べられそうじゃないかい?」
しいなも不安げにうなる。
それもそうだ。ゼロスは気分屋な部分もあって今日は乗り気なのかもしれないが、普段はむしろジーニアスの料理が良いとうるさいのだが。
「ゼロスくんに…なにか邪心を感じました」
周りの空気が不穏になる。
「プレセアが言うんだから絶対何かあるよ…。僕、ちょっと様子見てくる」
ジーニアスは呆れと不安の混じった顔でゼロスの元へ去る。
「あ、俺も…」
「ロイドォォォォ!!」
ロイドも行こうと足を出した瞬間、悲痛と激怒の混じった声が聞こえてきた。
「…げ」
「貴様ァ、貴重なこの歴史ある文献を、よくも汚してくれたな!!!」
「わ、わざとじゃねぇって!!」
「問答無用!!」
ロイドの悲鳴が遠くまでこだましたのだった。