永遠ノ人形
□3 予感
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朔夜は、昔から本心を出さないところがある。
嫌なことは嫌と言わず、周りには明るく振舞う。
表情を見ても、いつもニコニコ笑っていて、全く感情が掴めない。
笑っていながら、『自分』と『自分以外の人』との距離を作っている。
その距離を、親である笑香にすら踏み込ませたことなどなかった。
朔夜は、それを許してはくれなかった。
本当は、気を使う必要なんて無いのに。
自分を『よそ者』にする必要なんて無いのに。
でも、その原因を作っているのが、私だから・・・
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突然、カウンターの上に置いてあった携帯電話が鳴った。
途中で手を止めたが、メールだった。
メールなら後でも平気だろう。
そう思って再び手を動かし始めた。