永遠ノ人形

□3 予感
2ページ/16ページ


朔夜は、昔から本心を出さないところがある。

嫌なことは嫌と言わず、周りには明るく振舞う。

表情を見ても、いつもニコニコ笑っていて、全く感情が掴めない。

笑っていながら、『自分』と『自分以外の人』との距離を作っている。






その距離を、親である笑香にすら踏み込ませたことなどなかった。

朔夜は、それを許してはくれなかった。





本当は、気を使う必要なんて無いのに。

自分を『よそ者』にする必要なんて無いのに。








でも、その原因を作っているのが、私だから・・・






―――――――――――――――


突然、カウンターの上に置いてあった携帯電話が鳴った。

途中で手を止めたが、メールだった。






メールなら後でも平気だろう。

そう思って再び手を動かし始めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]