永遠ノ人形

□5 覚悟
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優香は部活を休んで急いで家に帰り、玄関の前に立ち止まった。

お母さんはいる。絶対に。

そう信じてドアを開けた。

鍵が掛かっていた。

少しの間待ってみる。







母は、いつも鍵が掛かっていたら開けにきてくれる。

だが、何分待っても来なかった。

仕方無いから、自分で鍵を開けて中に入った。

そして家中を探した。







「お母さん、いるの?いるなら返事して」

自分の部屋の前に来ると、一旦部屋に荷物を置きに来た。

机の前に来ると、ひとつの封筒があることに気付いた。

開けてみると、便箋が入っていた。

便箋には、笑香の字で書かれていた。






優香へ

しばらく帰っては来れないけど、朔夜と二人で協力して生活してね。

優香、私が帰って来るまでちゃんと家事をやるのよ。

朔夜にたよっちゃ駄目よ?

優香、勉強はできても料理は本当に下手だから。

私はちょっと用事ができちゃったから、しばらくは二人で頑張れ!!

応援してるからね。

笑香。








「・・・・・・」

これじゃあ、何処に行ったか分からないよ。

それに、何か不自然。

朔夜に相談してみようか?

でも、気のせいってこともある。

・・・・・・否、どう見たって不自然よ。

無駄に明るくしてるもん。







そうだ。もしかしたら、朔夜の所にも同じような手紙があるかもしれない。

そう思って優香は朔夜の部屋に向かった。

朔夜の机の上にも、同じように手紙が置かれていた。

優香はそれを手に取ると、急に不安になった。

この手紙を見てはいけない。

理由を聞かれたらそこまでだが、ただ彼女の勘がそう感じさせていた。








「ただいまー」

朔夜が帰って来た。

優香は、手紙を元の場所に戻して、自分の部屋に行った。
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