現実時間


◆cp.ブーメラン夢 [追記]

しっかりと抱き締められている。
屋外。
ごわごわとした、ブーメランのコートに触れて本物だと感動する。
こんな機会は二度とない。
抱き締め返して、彼の耳元で好きだと伝えた。
その時、通りがかった乞食が私の荷物を盗ろうと近づいてきた。
私はいいとこのお嬢様だったのか、こまごまとした箱や小物をひったくられる。
即座に振り返り躊躇なく眉間に銃を発砲するブーメラン。
急所は外れたのか、乞食は泣いて謝りながら盗んだものを返した。
興が削がれ、場を改めようと私の家に行くことになった。
家は近くで、そこそこある敷地のガーデンを横切った。
裏口から、建物の角の自分の部屋へ戻ろうとする。
足元が悪い、とブーメランからエスコートされる。
「誘拐させてくれ」
早口で拙い言い方だった。
いいよと返す。
「足は洗うの?」
「huh?」
「足は洗うの?」
「……」
ブーメランは気まずそうに口籠った。
外から見た部屋は既に電気が付いていて、侵入者だと気付いたブーメランが表情を険しくした。
部屋には私の弟妹たちが忍び込んで遊んでいた。
テレビが付いていて、持ち込んだのか玩具で散らかっている。
私たちに見つかり、騒いでいたが使用人たちが気付いて彼らを纏めてくれた。
部屋の中央に一列に並ばせた後、端っこに座る兄弟にブーメランが人生を説きつつ嫌味を言っている。
妹たちはブロンドで髪がやけに長く、床に引きずるほどあり、ラプンツェルのようだった。
私は家族ながら彼女らを不思議に思いつつ、流れを見守る。
末妹が列に並ぶ前に、ブーマーに振り返った。
目が淡く光り、顔に皺が浮かぶ。
ふと、彼女は人を攻撃し、その生気を髪に蓄えるのだと覚った。

蚊の羽音で目覚めた。

2022/09/27(Tue) 21:51 コメント(0)

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