短編

□もたらすぬくみ
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またトロロ新兵殿に呼ばれた。

私だって暇じゃないのにこき使って…仮にも私は上司なのに…威厳ないのかな…。

階級としては私が上だが、能力はトロロ新兵殿の方が高く、買われている。

いいけどね。あの悪い言い方、生意気な子供がそうだと思うと怒る気にもなれない。

星の為。軍の為。

一端、新兵の手伝いでもなんでもやってやりますよハーハハハハ。


と、いうことで到着したトロロ新兵殿のお仕事場。

勝手に開いたドアから入ってすぐに目についたのは、そこらに散らばるジャンクフードだった。

…健康に悪そう。

あの世代の子はそれが格好良いなんて思ってたりしてね。

知らないけどね。偏見かもしれんけどね。


電器の音が聞こえるほうへ足を向けると、無数の小さな画面の一つを覗き込む小さな背中を見つけた。

座るとあのヘルメットと尻尾の生えた体が同じくらいかそれ以下に見える。

本当、体も性格も未熟なのに能力だけは立派なんだよね。

ちょっとその性格に曲がったりもするけど。



「モー!遅いんだよネッ ボクを待たせるなんて何様だシィ!」

「サーセン」

「謝ってないソレ!」



煩いなぁ、体だけでも謝ったんだからいいじゃないか。

夜体質、というのかトロロ新兵殿は昼に寝て夜に活動することが多い。

その時間帯に付き合わされるこっちの身にもなってほしいね。眠くてしょうがない。



「で、仕事は?」

「何時もどおり掃除から」

「…自分でやればいいのに」

「絶対ヤ」



それだけしかめっ面で言うと、ぷいっと顔を画面に向けてしまう。

私は溜息を吐くかわりに眉間の皺を増やしてみた。






 
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