Short story
□ハロウィン
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跡リョ(←忍)+ジロリョ要素少し
まだ完結していません。
多忙な為完成が遅くなると思います。今月中には書き上げるつもりですので、少々お待ち下さいませ。
「えっちゃん! ハロウィンパーティーやろ!」
「いきなりどしたの…」
ニコニコと憎めない笑みを浮かべる金髪の青年に、リョーマは飲みかけの缶から口を離した。
「跡部の家でハロウィンパーティーすんの。いいでしょ〜?」
お願いお願い!!と縋り付くその様子にリョーマはどちらが年下か判ったもんじゃないと軽く溜息を吐いた。
「何、ケーゴそんな計画たててたの?」
えっちゃ〜ん!!と喚いているジローを宥めながら、背後の椅子に座り紙をめくっている跡部へと視線を向ける。
「何の話しだ? あーん?」
走らせていたペンを止めて、跡部はリョーマに聞き返す。
「ケーゴっちでハロウィンパーティーやるって話」
「はぁ?んなもん考えてねぇよ…って、オイ!ジローッ!! どこに寝てやがる!!」
この話の根源を言い始めた当の本人は、リョーマの膝の上に頭を置いて眠る体勢に入っていた。
それを見て怒鳴り声を上げる跡部だったが、怯む事なくジローはリョーマの膝へ頭を擦り付ける。
「えっちゃんは跡部だけのものじゃないC〜」
欠伸を一つしてジローは目をトロンとさせる。
憤怒している跡部を放って置いて、リョーマはウトウトしているジローへ視線を落とした。
「ねぇ、そのパーティーって誰が決めたの?」
「ん〜…俺が今決めた〜」
あぁ…そぅ。どうりで……。
「だってさ。どうする?ケーゴ」
さすがに怒りが頂点に達したのか机から離れてやって来た跡部にリョーマは至って冷静に聞く。
「やる訳ねぇだろ!お前に頼まれるならまだしも…」
「えっちゃん…お願い…」
跡部の言葉を遮って、ジローがリョーマの顔を見上げて懇願した。
……………………。
「ジローがそこまで言うなら…‥ケーゴ、俺もやりたい」
「……なんでお前はジローに、そんな甘いんだよ」
ハァーと盛大な溜息を吐き出し、ジローを引き離そうとする跡部にリョーマはさも当たり前だと言う様な顔をする。
「親友だもん。ね?ジロー」
「うわぁ〜vV えっちゃん大好きぃ〜vV」
−バタンッ−
「今の話聞いたでッ! 衣装は俺に任しとき!!」
突然割り込んで来た関西弁に、3人の動きが止まる。
その視線は、親指を立てた拳を前に突き出しウインクしている伊達眼鏡を捕らえていた。
「ォイ、まだ決まっちゃ…」
「そやな〜…姫さんにはメイド服に猫耳付けるとかええんちゃうか?」
ウンウンと頷く変態…基、忍足はすっかりその気になりリョーマの隣へと腰を下ろした。リョーマは居心地が悪そうに握り拳一つ分距離を取る。
「ぃや、魔女っ子もええなぁvV」
「侑士!俺のも作れ!!」
「…岳人いつの間に来たん?」
「宍戸さん、ハロウィンパーティーやるそうですよ。ミニスカートの魔女とかやりません?」
「Σんなハズイの着るかッ!!」
「ケーゴ…いつの間にか勢揃いしてるんだけど。氷帝の人達って変わってるね」
どやどやとやって来た氷帝レギュラー陣。
跡部は怒りを通り越した呆れをあらわにし、髪を掻き上げた。
「どいつもコイツもしょうがねぇ奴らだな…なぁ樺地」
「……ウス」
「もうやるしかないね」
騒がしくなった部屋の中、リョーマの呟きを聞いて膝に寝転んだままだったジローが満面の笑みを浮かべた。