オリジナル
□ハロウィンパーティー。
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(充)「・・・という訳で、初の全員参加!しかも大口の宣伝用ポスター!あーもう楽しみすぎるっ!」
朝のミーティングで、それはもう興奮した充さんから放たれた言葉に、全員が絶句した。
(藍)「・・・・・つまり、仮装、ですか?」
恐る恐る・・・といったように呟いた藍虎さん。
動揺しているのか口調がたどたどしい。
(充)「当ったり前じゃない!なんてったってハロウィンなのよ!」
大手お菓子メーカーがハロウィンに向けて新作のお菓子を出すらしく、その宣伝用ポスターの依頼らしい。
ハロウィンの時期限定のフェアもあるらしく、大通りに位置するそのお店の店頭と看板に、ドでかく貼られるという・・・。
(ア)「一応配役はこっちで考えてみたんだ。灰猫と白雅が悪魔と天使。藍虎はヴァンパイア。黒兎はミイラ男。紫酉は化け猫で紅鵺は狼男。他に何かやりたいのがなければ、コレで衣装を手配するよ。」
充さんの隣に控えていたアキラさんが読み上げると、黒兎くんが「えー」と声を上げる。
(黒)「ミイラ男って、包帯ぐるぐる巻き?もっと良いヤツないの〜?」
包帯巻くだけなんてツマンナイよーと駄々をこね始める。
「じゃあ俺のと交換する?」と声をかけようとすると、(何故か)俺の膝の上に座っていた紫酉くんが反応した。
(紫)「ぼく・・・猫ちゃん?」
(紅)「え?う、うん。そうみたいだね。」
(紫)「・・・紅鵺ちゃん、わんちゃん?」
(紅)「え・・・そ、そうだね。わんちゃん、かな?」
にこー。
眩いばかりに輝く笑顔。
ま、まぶしい!!
(紫)「おそろいだねぇ」
ぐはっ!
こんなにも嬉しそうな顔されたら、もう黒兎くんに「俺、交換しようか?」とは言えなくなった・・・
っていうかエスパー!?(どんだけナイスタイミングなんだよ紫酉くん!!)
(黒)「あーズルイぞ紫酉!そういえば俺と藍虎くんだけ単体じゃんかアキラさん!」
(ア)「・・・じゃあ生贄の女の子でもいいよ?」
(黒)「!!?・・・・・み、ミイラ男をやらせて頂きます・・・!」
(藍)「くすくす・・・ヴァンパイアと交換でもいいよ?黒兎君。」
(黒)「いや、それはダメ!藍虎くん、ぜーったいヴァンパイアはハマリ役だから!ていうか俺が見たい!」
確かに・・・藍虎さんって、なんて言うかこう・・・妖しい色気があるんだよな。
艶っぽいって言うか・・・って!俺はまた何を考えてるんだぁぁぁーー!!
(灰)「・・・翼、つけるの?」
ぽつり、俺の隣から呟かれた声は、相変わらず朝に弱く、充さんの話も聞いてるんだか良くわからなかった灰猫さん。
・・・て言うか白雅ちゃんが灰猫さんの膝枕で寝てる!?
灰猫さんよりツワモノがここに!!?
(充)「そうね、一応は。でも、背中からちょっと出るくらいの小さいヤツを考えてるから。」
あくまでメインはお菓子だからね。と充さん。
(ア)「じゃあ、このままで衣装発注するから。撮影は三日後、朝からの予定です。」
(充)「期間が短いフェアだけど、人気店だからお客さんの目に触れる機会は多いと思う。みんな、しっかりね!」
はい!
全員の声が響いた。
・・・って、白雅ちゃんまだ寝てる!!?