詠の間

ルヴァンシュの哀歌
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美しき仮面の下に
隠し持つは 冷酷なる魂(こころ)
粧いし微笑のなかに
育まれし 憎悪


輝かしき月夜 懐かしき日々よ
携え進め 涙は要らぬ


さあキミよ 嗤うがいい
哀れなる私に どうか最後の一振りを
滴りし血に彩られし
復讐の剣(ナイフ)
誰のために キミは泣く


たとえ どんなに愛されたとしても
癒えぬ疵 忘れ得ぬ記憶(おもいで)
在りし日の幸福(しあわせ)を想い出し 独り復讐を誓いて


血に飢えし獣 満たされし哀しみ
いざ行かぬ 反逆の舞台


さあキミよ 微睡むがいい
恍惚に彩られし 闇の世界で
血に塗れしふたつの腕に
抱かれ視る幻想(ゆめ)
如何なものか


躬モ魂(ココロ)モ解キ放テ
愛シキミヲ討チ取ルガタメ


さあキミよ 嗤うがいい
この愚かなる私を
戦慄の舞台上 抱き合い果てる二人
頬伝う涙は 哀しみか憎しみか

さあキミよ 微笑むがいい
終わりなき夢のなか
絶え絶えの吐息 その唇に
ひとひらの口づけを
抱き抱かれ 昇天か


二人背負いし 罪の名は……"誰が知ろうか"


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