04/06の日記

21:29
わがまま一つだけ
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ヒヤリと冷たい感覚に意識が浮上する。
霞む視界に映り込んだのは見慣れた人物の姿だった。



「…ん…?……泉…?」

「目ぇ覚めたか」



ホッと息をつく泉をぼんやりと見つめていると、珍しく心配そうに眉をひそめて見つめ返してきた。



「なんで熱出たって言わなかったんだよ」



どこか拗ねたように口を尖らせながら泉は言った。
思わず苦笑いすると、泉の眉間のシワが更に深くなってしまった。



「最…初は、微熱だったし、…部活、だったろ…?」



声を出すたびに喉がヒリヒリと痛み、ゴホッと嫌な咳が出て、あ、これはカンペキ風邪だな。なんて、どこか他人事のように思った。



「バカ浜田」



嗄れた喉を通る空気のヒューヒューと鳴る音に掻き消されるくらい小さな声が聞こえたかと思うと、次の瞬間ベシッと頭を叩かれた。



「こん時ぐらい、甘えろ」



プイッと横を向く泉の頬が、ほんの少し赤いのは多分見間違いじゃないだろう。

乱暴な言葉だが、その内容のあまりの可愛さに、思わず頬が緩んでしまう。



「じゃあ、一個だけ…いい?」



そう聞けば、泉は期待に満ちたように目をキラキラさせて顔を覗き込んでいる。

重くて動かし辛い体を叱咤して、布団の中から手を出す。



「俺が寝るまで、手…握ってて…くれない、かな?」

「…それだけ?」

「うん、それだけ」



どこか不満そうな表情を泉は見せたが、黙って差し出された手を握った。
ひんやりとした泉の手は心地よく、不意に眠気が襲って来てゆっくりと目を閉じた。

ふと、頬を撫でる冷たさを感じたけれど、その気持ち良さに俺の意識はすぐに暗闇に沈んでいった。







それはある夜のこと。



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風邪引いたので。

ありきたりな話になっちゃいましたー。

浜田は一人暮らしだから、風邪引いたら泉が看病に行くと思います。
泉は普段甘えてる分、こんなときくらい浜田に甘えてもらいたい、なんて思ってるといいなー。←希望


久しぶり過ぎて文章が目茶苦茶ですorz

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