03/17の日記

01:26
気持ちコントラスト
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大嫌いの反対は、大好き。



なら、愛してる、の反対は?














「で、なんて言ってほしいんだ?」


ある晴れた昼下がり。
外はポカポカお天気で、いわゆる『ピクニック日和』。

そんな中、部屋に閉じこもるという不健康極まりない時間を過ごしながら、それでも満腹による幸せに浸っていた。

そんな時間をぶち壊したのは、先程まで暇そうにベッドでゴロゴロしていた浜田だ。


「んー?泉の考えを言ってほしいな」


疑問に顔をしかめながら振り返れば、浜田はニコニコと楽しそうに笑っている。

その質問には特に裏があるようには見えず、ただ純粋に疑問を口にしたようだ。
それはそれで逆に困ってしまう。

何か裏があれば無視するなり何なり出来るが、ただ聞かれたとなれば、何だか答えないといけないような気がしてしまう。


「愛してる、の反対か…」


呟くと、浜田は俺が答えるのが意外だったかのように軽く目を見開いた。
何だよ、と睨み付ければ、なんでもないよ、と妙に嬉しそうな顔をする。


「お前はどう思うんだよ?」

「俺?」


考えていると、浜田自身はどういう言葉を選ぶのかが気になったので、自分の答えは置いておいて浜田に質問を返した。

浜田は少し考えるそぶりをして、またすぐにニコニコと笑った。
浜田がどういった答えを出すのか興味が沸き、浜田の答えを待つ。


「愛してるの反対は、ないと思うよ」

「は?」


人に何だ、と聞いときながら、答えはないとはっきり言い切った浜田に、目を丸くした。

そんな俺の様子にも気付いているのかいないのか、浜田はで、泉は?などと言っている。


「なんでないんだ?」


また浜田の質問をスルーすることになるが、浜田自身もマイペースなのでどっちもどっちだろう。

それでも浜田は質問を無視するわけでもなく、質問を無視されたことに気分を害した様子もない。


「だって、愛してるって、言ってみれば『興味がある』ってことじゃん?」


なんか違う気もしないことはないが、まぁ大分大まかに言えばそういうことになるのだろう。


「興味がある、の反対は無関心でしょ?無関心に言葉なんてないじゃん」


なるほど、と思った。

そう考えれば、確かに愛してるの反対は『ない』だ。

しかし


「でもさ、愛憎とか言う言葉もあんじゃん。その場合、愛してるの反対は憎いとかになんないか?」

「あ、そっかー」


浜田は感心したように頷く。
一体なんでこんな話になったのかはサッパリわからないが、浜田が何やら納得したようなので、まぁいいか。と思ってしまう。


「でもやっぱり」


話は終わったかと思ったが、どうやらまだ続くらしい。


「愛してるの反対は、ないほうがいいな」


だって、なかったら愛してる意外になり得なさそうだもん。
そう言った浜田は楽しそうにアハハ、と笑った。

それに俺はどんな表情を浮かべているのか、自分でもよくわからない。
でも多分、緩む頬を必死で堪えているような顔になっているだろう。



だって、俺もそう思うんだ。

愛してるの反対がなければ、きっとこの気持ちに終わりはないと思うから。



そんなことを考えて、自分で何だか照れてしまった。
ホントにどうしようもない性格だと思う。


「……だもん、とか言うなよ気色悪い」


もう、ホントに。








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終わり方…!
最後の最後で失速&撃沈的な。

久々のShortになります。
今現在、かなり眠い上、風邪引いて気分最悪です…。

ああ、だから浜田が無駄にロマンチストなのか。
そして泉が乙女チックなのか。

納得。←

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