02/15の日記

00:15
スウィート・スウィート(Side.Hamada)
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昼休み。泉が席を立って教室から出て行ったのを見計らって、俺は動いた。

目指す先は教室中央。
女子が互いのチョコに舌鼓を打っている場所だ。

幸い、先程その群れに田島が入ったお陰で幾分入りやすくなっている。


「なぁなぁ、ちょっとお願いがあるんだけど」


ポンッと手前にいた女の子の肩を叩くと、その子はチョコを頬張ったまま首を傾げた。


「浜田くん。どうしたの?」


その子の声に、他の子達もつられて俺の顔に視線を寄越す。
十数人の女の子に一気に見つめられて少し焦ったが、負けるな自分!と心の中で喝を入れて手に持っていた箱を差し出す。


「俺も作ってみたんだけどさ。味に自信なくて…。良かったら感想聞かせてくれねぇかな?」


箱の中身はガトーショコラだ。
一応人数分に小分けに切って来た。

中身を見た途端、女子達は驚いたような表情をしたが、一瞬で目を輝かせた。


「スゴーイ!!浜田君が作ったの!?」

「そういえば料理とかも上手だもんねぇ!」

「おいしそー!!食べていいの?」

「浜田ー!俺も!」


黄色い女子の声に混ざって田島の声も聞こえた。
笑って頷くと、箱に次々と手が延ばされて中身は一瞬のうちに消えた。

甘いものに対する女の子の執念を見たようだ。

反応を伺おうと、咀嚼する女の子たちの顔を見渡す。


「美味しい!」

「うん!甘さが控え目な感じだけど、凄いいいよ!これ!」

「あたしこのくらいの甘さ好き!」

「おいしー!!」


次々に上がる好評に、気分が上昇した。


「良かった!サンキュー!」


泉が戻ってこないうちに、急いで席へと戻る。
あのケーキは泉使用に甘さを控えたものだ。初めて作ったため、自信がなかったのだが、どうやら上手く出来たらしい。
ホッと一息つくと、ちょうど泉が戻って来た。

本番は今夜、泉がうちに来てからだ!


昨日の様子からは泉からのチョコは期待できそうにない。まぁ、予想はしていたけど。

でもバレンタインといえば恋人たちのイベントだ。
出来ることなら何かしたい。

そこで考えたのは、自分が泉にチョコをあげる、ということだ。


まぁ、単純なことなんだけど、お菓子作りなんて初めてだったから色々大変だったんだ。
昨日泉が帰った後からケーキを焼き始めたから、実は今日は少し寝不足だ。


それでも、泉の笑顔が見たい。


その一心でケーキを作り上げた。



今夜が楽しみだ。



ワクワクする気持ちをなんとか抑えながら、寝る体制に入った泉の後ろ姿を見つめた。




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14日中に書き終わらなかった…!!

ラストは今日中に…!!

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