気紛レNOVEL 

□real kiss
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「はあ〜・・・」



大きなためいきをついて
枕に顔をうずめる



「寝れない・・」



もう何回 
この言葉を言ったことか・・・



寝がえりを打って 
ふとんにもぐっても

目を閉じれば浮かんでくる
あの光景・・・



「あーーー!」



頭をかきむしって
イキオイよく起き上がる



「ったく・・」



分かってるんだけど
いつもこうなる


俺だって

頭では 理解してるつもり


あれは 単なる仕事

与えられたことは
やらなきゃいけない


そんなこと俺だって

分かってるはずなんだけど…




「つか あそこでキスとか 
別に なくても良くね?!」



気持ちが ついていかなくて

壁に向かって 
枕を投げた








 

「なあおまえさあ
今度の仕事 
キスシーンとかねえよな?」



この前 
台本を読んでたかずに

何気なく聞いた俺がバカだった



「んー… あると思うよ」

 
「?!」



平然と答えるかずに 
唖然とする俺



「あんの?!」


「うん。 
だって言ってたもん 監督が」


「・・・マジか」


「うん マジで。
だっておまえさ〜、仕事だよ?
何考えてんだよ(笑)」




俺を見て笑うかずに 
めまいがする…



「・・・いつ撮んだよ」


「さあ 分かんねえけど…
 あ 知りたい?」



台本から目を離して 
俺を見る かず


こいつ・・・(汗)
 
完全に俺をからかってる目だ




「・・・別に(汗)」


「ん 分かった 
じゃ言わない」


「おお・・・」



俺の動揺を
簡単に見透かしてるかずは

軽く返事をしただけで
また台本に視線を戻した



「・・・(汗)」



やっぱり

聞いといたほうがいいかも…



いや でもやっぱダメだ



いくら仕事とはいえ

おまえが
「今日キスしてきました」
だなんて



そんなこと聞いた日には…




死ぬかもしんねえ 俺…



OAだって 
ぜってー見ねえかんな





俺はその時 

固〜く心に誓った











それから 


お互いスケジュールが合わなくて

まともに会えない時間が過ぎて・・・







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