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□魔法のことば
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幸せ過ぎると

逆に不安も大きくなるって聞いた



そんな事聞いたら変に不安になる



変な事ばかり考える











ねぇ――




『神田?』

「あぁ?」




この幸せは――




『愛してるよ?』

「…」




決して偽りのモノじゃないよね?



「なんだよ急に」

『‥ううん…なんでも…』




そのまま顔を背けて神田から離れようとした


今にも泣きそうな顔…見られたくない




「おい……」

『なんでもな――…』




言葉が、続かない

だって、神田が




「何泣いてんだよ」




急にキスなんかしてくるから




『なっ…違っ!』

「違わねぇ」




神田の鋭い眼が私の言葉を押し止める

でも、訳の分からない不安は止まらない





私が黙っているとまた唇を奪われた




『ん…』




深く深く

ココロの奥を刺激する




「俺はお前以上に…」

『……え?』

「なんでもねぇ」




聞き間違えかと思った




《俺はお前以上に愛してる》




でも





顔を赤らめて目線を合わせない仕草や

話を逸らそうとする態度は

見間違えようがない




『ねぇ。もう一回言って』

「言わねぇ」








例え幸せ以上の不安を抱いても

貴方のその言葉があるかぎり

私は一つ上の幸せを手に入れられる




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